1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750290
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
木下 宏揚 神奈川大学, 工学部, 助教授 (70202041)
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Keywords | 情報セキュリティ / 著作権 / アクセス制御 / 電子透かし |
Research Abstract |
1.画像情報を対象とした著作権の管理方法として、画像の構造情報に基づく電子透かし法をさらに発展させ、安全性を向上させた。本研究の電子透かしは、検証時に原画像を必要とせず、埋め込まれる透かしは、画像固有の情報として画像の構造情報を採用し、これと著作権保持者の保持する秘密情報とを組み合わせて電子透かしを生成するため、透かし情報を偽造されることがない。透かしとして埋め込む情報をハッシュ関数により圧縮したことと透かし情報を拡散するための行列を2次元から3次元に拡張したことにより安全性が向上した。また、実験によりその有効性を確認した。 2.X.500シリーズをターゲットとしたアクセス制御法については、関係データモデルに基づくアクセス権の一貫性の解析手法を提案した。UNIXにはSetUID,SetGIDなる仕組みが存在する。SetUID,SetGIDが設定されたプログラムは、実行者と異なる実行権で動作する。したがって、このプログラムによって本来アクセスできないファイルにアクセスできることがあり、設定されているアクセス権に矛盾が発生してしまう。UNIX File Systemにおけるファイルのアクセス権についての関係データベースを構築し、これに関係データ演算を適用してアクセス権設定の矛盾を検出する手法を提案した。 3.上記の関係データモデルによるアクセス権の解析法に基づいた、安全な経路制御を実現するインターネットエージェントを提案した。各ホスト内のファイルに対するユーザとファイルに与えられたアクセス権情報を収集するエージェントを考案し、これをホストやルータに実施し、エージェント同士の情報交換によりネットワークに接続されたコンピュータとの間でも、パーミッションの矛盾がないようにすることで、インターネット上で安全なルーティングを実現する方法についても提案した。また、OSとしてFreeBSDを用いルータを作成し、実験用のネットワークを構築して有効性を確認した。
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[Publications] 亀ヶ谷恥 木下宏揚: "An Image Retriering Method using the Object Index and Motion"IEEE Intemational Conference on Image Processing 99. ICIP99・27AP2. (1999)
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[Publications] 小林輝伸 木下宏揚: "画像の構造情報に基づく電子透かし"暗号と情報セキュリティシンポジウム2000. SCIS2000D25. (2000)
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[Publications] 早川圭吾 鈴木裕信 木下宏揚 森住哲也: "関係デ-タモデムに基づくアクセス権の一貫性"暗号と情報セキュリティシンポジウム2000. SCIS2000A316. (2000)
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[Publications] 鈴木裕信 早川圭吾 木下宏揚 森住哲也: "安全な経路制御を実現するインタ-ネットエ-ジェント"暗号と情報セキュリティシンポジウム2000. SCIS2000D-16. (2000)