1998 Fiscal Year Annual Research Report
光検出器の飽和特性を利用した光共振器モード不整合の誤差信号取得法の研究
Project/Area Number |
10750309
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森脇 成典 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60262044)
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Keywords | 光共振器 / モード整合 / レーザー干渉計 / 干渉計型重力波検出器 / 散射雑音 / フォトダイオード / 光位相変調 |
Research Abstract |
本研究では,光共振器と入射光ビームの間の2次のモード不整合の誤差信号を取得するために,数十MHz程度のRF信号による変復調を利用する.このため,フォトダイオードを用いて,RF帯域での光強度変化を十分な信号対雑音比で検波して電気信号に変換し,かつその位相が十分安定している必要がある.本年度は位相比較の基準となるプリアンプつきのフォトダイオードの試作を行い,目的の帯域で振幅特性が平坦であることが確認できた.また,当初の計画案では共振型の位相変調器を購入する予定であったが,性能の良い電気光学結晶が入手できたので,共振型結晶の新規購入は見送った.この電気光学結晶を利用して,安定した位相変調を掛けるための方法を再検討した.以前より,関連する実験で,光位相変調器への印加電圧が,意図しない電気的な結合により検出系に直接回り込み,長さの誤差信号やアラインメントの誤差信号に重畳してしまう現象が問題となっていたが,今年度はこの現象の原因の調査も行った.対策には,高周波系統の回路結線だけではなく,同期検波後の比較的低周波の信号が伝わるケーブル類の結線方法にも工夫が必要であることが分かり,電気系の一部を改造中である.本題である誤差信号の取得に関しては,予備実験装置において共振器長と光周波数のずれの信号(0次の信号に相当)の取得が確認できた.その信号を共振器長にフィードバックすることにより,共振を数十分間保てることも分かった.1次(ミスアラインメント),2次(ミスマッチング)の誤差信号は,まだ復調系の製作が完了しておらず,確認がとれていない.また,何種類かの反射率の鏡を用いて共振器長の掃引測定を行った結果,2次の高次モードの相対残量を定量的に知るには,高次モードの縮退が解けるほど高い反射率のミラーを使わないほうが良いことがわかり,やや低めの反射率の鏡の調達を検討している.
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