1998 Fiscal Year Annual Research Report
複数カメラによる注視と分散視のモード選択に基づく視覚情報の不確かさを考慮した監視
Project/Area Number |
10750319
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島田 伸敬 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10294034)
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Keywords | 分散協調 / コンピュータビジョン / 複数カメラ / 人物追跡 / 動画像解析 / 確立分布 / 行動計画 |
Research Abstract |
本研究の目的である複数カメラによる注視と分散視の切り替えによる効率のよい監視システムを実現するために,まず本年度は,固定した複数のカメラによる人物の追跡手法の検討と実装,さらに回転カメラシステムについて,状況に応じて最適な向きを決定する手法の理論的検討と計算機シミュレーションによる実験を行った. まずはじめに,固定した複数カメラによる人物追跡と位置の推定手法について研究した.障害物の多い室内を想定し,隠蔽のために必ずしもすべてのカメラから人物が観測できないような状況でも人物追跡ができる手法を考案した.まず人物が観測できるカメラ画像の動き情報(オプティカルフロー)から人物領域を検出する.人物が観測できるカメラの情報から人物の3次元位置を推定し,隠蔽のために人物が見えないカメラに通知することにより,あるカメラの視野から別のカメラの視野に移動する人物の追跡をカメラ間で引き継ぐようにした.研究室内にカメラを設置し,上記の手法を実際の人物画像列に対して追跡実験を行い,有効性が確かめられた.これについては来年度中の論文発表を予定している. さらに,回転カメラによる人物追跡に拡張するため,今年度の補助金で購入したパソコンを用いて,ドア,廊下,部屋からなる屋内環境シミュレーションソフトウェアを作成した.このソフトウェアを用いて,観測データの信頼性を考慮した人物位置ならびに個人識別の確率分布を計算し,最適な回転カメラの向きを決定する手法を検討した.観測後の確率分布のエントロピーが最小になる行動を選択するという規範を用いて実験したところ,各時刻で矛盾した行動を選択してしまい追跡に失敗することがあった.そこで一度決定した戦略に沿った行動を選ぶような規範を考える必要があることがわかった.
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