1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750323
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
笠羽 康正 富山県立大学, 工学部, 助手 (10295529)
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Research Abstract |
2005年打上予定で検討進行中の水星探査機搭載を念頭に置いた、中間赤外線分光撮像装置の検討を開始した。当初案は、10μm/30μmの熱測光と7-14μmの低波長分解能分光を含むものである。最近、搭載機器重量制限から分光部搭載は断念したが、将来利用を企図し本研究は当初構成に従い遂行した。 1998年度の実績は以下の通りである。(1)水星探査機搭載用の基本設計:カメラ及び光近赤外装置と一体での分光撮像装置の基本設計、特に重量、電力、データ量、部品要素等の検討を行った。(2)中間赤外装置の光学設計:アラインメント負荷軽減のため全反射光学系を基礎とし光学設計を行った。特に、内部熱輻射・迷光の影響軽減、測光部を500gに収めることを目標とした重量軽減を念頭に置いた。部品選定作業に依存する部分が多く、依然仕様は流動的である。(3)部品選定:心臓部たる検出器の選定と評価を行った。海外で実績のある2次元ボロメータアレイの導入を検討したが予算上断念、HgCdTe素子の弱冷却試験も行ったが感度不足にてこれも断念した。幸い、1次元焦電アレイ、焦電及びサーモパイル単素子を選定できた。また、光学系設計と平行し他部品の選定も行い、光学部品、支持部材、電子部品等を購入した。 1999年度には、以下の作業を行う予定である。(1)分光撮像系の構築:テスト系を構築し、検出器評価、熱輻射・迷光評価、重量軽減等の検討を開始する。gratingを購入し分光系のテストも行いたい。また、軽量の校正法の検討を行いたい。(2)地球・月表面の遠隔テスト観測:上記検討の終了後、地球及び月表面の熱測光・分光を行いたい。 (参考:笠羽康正、岡田敏美、本田理恵、飯島祐一、横田俊昭、水星探査機搭載用可視/近赤外/中間赤外分光撮像器'の開発、電気関連学会北陸支部大会、福井工業大、1998年10月.)
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