1998 Fiscal Year Annual Research Report
積分型二次形式制約を用いた構造系と制御系の同時最適設計法の開発に関する研究
Project/Area Number |
10750331
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河辺 徹 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (40224844)
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Keywords | 積分型二次形式制約 / 制御系設計 / 同時最適化 / 遺伝的アルゴリズム / パレート分割 |
Research Abstract |
本年度は,制御系と構造系の同時最適設計法の開発のため,簡単な応用例として非ホロノミック2輪車を対象として考察および実験機の製作等を行なった.まず,非ホロノミック2輪車のコーナリング性能を向上させるアクティブピッチングコントロールという制御手法を考案した.このアクティブピッチングコントロールとは,コーナリング時の加減速によって生じるピッチング運動を制御することで,重心移動を積極的に生じさせ,これによりコーナリング性能を向上させるものである.このため,あらかじめ重心移動を生じさせやすいように構造系を設計する必要がある.この点に特に留意し,構造系と制御系の同時最適設計の思想の下,この簡単かつ具体的応用例として,実験用小型車両を実際に製作した. また,製作した実験機によりスラローム走行を行なわせ,アクティブピッチングコントロールと同時最適設計の有効性を確認するとともに,一般的なシステムに対して,同時最適設計法を開発する場合の種々の問題点や課題を洗い出した. この結果,より一般的なシステムに対しては,定式化された最適化問題の解がパレート最適になることが予想されることがわかったため,この問題を効果的に解くための最適化手法として,パレート分割手法を用いた遺伝的アルゴリズムを開発した.これは,定式化された最適化問題の目的関数空間における解のパレート境界面への分布の偏りを抑制し,境界面上で均一かつ広範囲に分布する解集合を導出するものである.これにより,同時最適設計問題において,設計者が設計仕様において最も好ましいと思われる領域の解を集中的に探索することが可能となる.
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