1998 Fiscal Year Annual Research Report
情報とモデル集合に着目した制御とシステム同定の融合に関する研究
Project/Area Number |
10750334
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大石 泰章 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80272392)
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Keywords | モデル集合 / モデル集合同定 / 一致性 / 最悪ケース同定 / サンプル複雑度 / 連続時間系の同定 |
Research Abstract |
今年度はモデル集合の同定にテーマをしぼり,以下の二つの研究を行なった. 第一に,モデル集合の同定法として有望視されているZhou and Kimuraの同定法に関して,同定に使うデータの長さを無限に長くするときに同定で得られるモデル集合の直径が零に収束していくかどうかという一致性の性質について調べた.その結果,上記の同定法は雑音が零でない限り一致性を持たないことがわかった.一致性は統計学では推定量が持つべき基本的な性質であるから,本同定法は改善すべき本質的な点を持っていることになる. 第二に,一致性を持つモデル集合同定法について考察した.確定的な枠組と確率的な枠組を共用することで一致性を持つモデル集合同定が可能であることは既に知られている.本研究ではこのアプローチにしたがい,対象に関して従来よりも弱い仮定のもとで,また離散時間系の対象だけでなく連続時間系に対しても一致性を持つモデル集合同定法を与えることができた. 来年度は同定における情報論的複雑度に焦点をあて,同定の際におく仮定の複雑度が同定精度や一致性にどのように関係するかを考察する.この研究により,モデル集合同定の本質が情報理論的に明らかになり,より性能のよい同定法の構築が見通しよく行なえるようになると期待される.また,最近の数理計画法に基づく制御系設計法を介して,制御系設計への応用も研究の予定である.
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[Publications] 伊藤,興野,大石,木村: "モデル集合の同定法と直径に基づくその性能解析" 計測自動制御学会論文集. Vol.34,no.8. 1005-1012 (1998)
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[Publications] 大石泰章: "モデル集合同定のための確率的アプローチとその一致性" 第21回Dynamical System Thearyシンポジウム予稿集. 25-28 (1998)