入出力データに基づくシステム表現と制御方式

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10750344
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 藤崎 泰正 神戸大学, 工学部, 助教授 (30238555)
• Keywords: システム制御理論 / システム表現 / 制御方式 / 入出力データ / 追従制御 / アルゴリズム / 離散時間システム / システムモデル

Research Abstract

本研究では,入出力データに基づくシステム表現と制御方式に関して,その理論的枠組を確立することを最終的な目的としている.この目的に沿って,本年度は,発展的な理論研究を行い,以下のような成果を得た.
まず,観測される入出力データに有界なノイズが加わった場合にも対応できるような,入出力データ蓄積に基づくロバスト制御アルゴリズムについて,基礎的な検討を行った.そして,任意の目標信号への最短ステップデッドビート追従制御問題を対象として,行列不等式に基づく制御アルゴリズムを研究開発し,学会発表をおこなった.これに引続き,観測される入出力データに白色ノイズが加わる場合を考察し,ノイズの確率的性質をうまく取り込めば,上記のアルゴリズムがある種の最適制御になることを明らかにした.
次に,システムダイナミクスが変動する場合について考察し,収集したデータを適当な論理判断に基づき更新すれば,入出力データに基づく適応制御が可能であることがわかった.また,入出力データに基づく制御を,より一般的な制御対象が取り扱える学習制御系に拡張するために,初期値の誤差やシステムダイナミクスの変動など,データが正確でない場合の学習制御系の制御誤差を明らかにした.
さらに,入出力データに基づく制御の枠組を,任意の目標信号へのデッドビート最適追従制御に拡張できることを明らかにし、学術雑誌にて論文発表を行った.

Research Products

• [Publications] 藤崎泰正: "入出力データ蓄積によるロバスト追従制御アルゴリズム"計測自動制御学会第28回制御理論シンポジウム資料. 309-312 (1999)
• [Publications] 加藤直也: "入出力データに基づく最適追従制御アルゴリズム-データに含まれるノイズを考慮して-"計測自動制御学会第22回 Dynamical System Theory シンポジウム資料. 195-198 (1999)
• [Publications] Masao Ikeda: "A Model-less Algorithm for Tracking Control Based on Input-Output Data"Preprints of the International Workshop on New Approach to Feedback Design,Chungbuk National University,Cheongju,Korea. 328-331 (1999)
• [Publications] 藤崎泰正: "線形システムに対するロバスト学習制御"第38回計測自動制御学会学術講演会前刷. 813-814 (1999)
• [Publications] 段一然: "入出力データ空間におけるデッドビート最適追従制御"システム制御情報学会論文誌. 13・2. 80-86 (2000)