1998 Fiscal Year Annual Research Report
地盤の非線形を顧慮した鉄筋コンクリート橋脚の耐震設計法に関する研究
| Project/Area Number |
10750351
|
|---|
| Research Institution | Saitama University |
|---|
Principal Investigator |
牧 剛史 埼玉大学, 工学部, 助手 (60292645)
|
|---|
| Keywords | RC橋脚-杭基礎-地盤全体系 / 杭基礎の損傷 / RC杭の復元力特性 / 杭と地盤の剛性 / 有限要素解析 / 杭の載荷試験 |
|---|
| Research Abstract |
本研究は基盤-地盤-杭基礎-橋脚-上部工の連成を考慮した非線形有限要素解析を行って相互作用のメカニズムを把握し,地盤と基礎の挙動がRC橋脚の地震応答性状に与える影響度を定量的に評価した上で,最終的に耐震設計手法へと生かすことを目的としたものである。
平成10年度は,地盤中におけるコンクリート杭を対象とした載荷試験を行い,非線形地盤中に設置されたRC杭の復元力特性および変形性状について考察を行った。載荷試験は,鋼製の土槽に地盤材料を模擬した標準砂を充填し,その中に埋め込んだコンクリート杭の杭頭部に対し,アクチュエータを用いて単調載荷および正負交番載荷を行った。その際,杭頭変位-復元力関係の他に,主働・受働土圧や杭変形も併せて測定した。結果として,杭の剛性と地盤剛性との相対的な関係によって,復元力および塑性ヒンジ発生深さが変化すること,また繰返しの影響により地盤が締め固められ,その影響で杭の塑性化が進展すること等が明らかとなった。また,本実験結果を用いて有限要素解析によるシミュレーションを行った。その結果,本解析により地盤中におけるRC杭の挙動をある程度追跡できることが明らかとなったが,特にエネルギー吸収量において,実験と解析に大きな差が見られた。この点は,動的応答に対して非常に大きな影響を及ぼすと考えられることから,今後,解析モデルについてさらに検討を行っていく必要がある。
|
