1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750353
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
上原 匠 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60231172)
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Keywords | 鋼繊維補強コンクリート / 高流動コンクリート / 材料分離抵抗性 |
Research Abstract |
トンネルのライディング等に高流動繊維補強コンクリートの適用が試みられているが、高流動繊維補強コンクリートの施工性と硬化後の物性に大きな影響を及ぼすと考えられるフレッシュ時の材料分離抵抗性能や充填性能については、ほとんど明らかにされていない。そこで、配合および繊維形状が高流動繊維補強コンクリートの材料分離抵抗性能に及ぼす影響を明らかにすることを目的に、ベースコンクリートと繊維混入後のコンクリートを対象にスランプフロー試験および材料分離抵抗性試験を行い、高流動繊維補強コンクリートのフレッシュ性状の把握を試みた。以下に今年度の研究で得られた結果を示す。 ・良好なフレッシュ性状を有するベースコンクリートのスランプフロー値が60cm程度の場合、体積比1%の鋼繊維を粗骨材との置換で混入することにより、スランプフロー値が50cm程度の良好な高流動繊維補強コンクリートが得られることが実験より明らかとなった。なお、ベースコンクリートが材料分離の性状を示すスランプフロー70cm以上の場合は、繊維混入後の高流動繊維補強コンクリートも材料分離が生じた。 ・材料分離抵抗性試験では、ふるい目と振動時間を変化させ、高流動繊維補強コンクリートの材料分離抵抗性の評価に適する試験装置の規定値を求めた。これより、ふるい目は5mm、振動時間は60秒が適しているとの結果が得られた。 ・鋼繊維の流動性や分離抵抗性については、スランプフローの形状とフロー値30cm内外のコンクリートに含まれる繊維量を基に評価が可能であるとの見通しが得られた。 平成11年度は材料分離抵抗性の評価方法の構築を試みるとともに、他の配合に対しての検証実験を行い、評価方法の適用性について検討する。
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