1998 Fiscal Year Annual Research Report
免震橋における免震支承-橋脚間の非線形相互作用のメカニズム考察
Project/Area Number |
10750362
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
庄司 学 東京工業大学, 工学部, 助手 (60282836)
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Keywords | 耐震設計 / 免震橋 / 免震支承 / 非線形応答 / 相互作用 / 降伏耐力 / 降伏後剛性 |
Research Abstract |
平成10年度には,兵庫県南部地震以降に設計された典型的な都市高速タイプの免震橋を2質点2自由度系でモデル化し,それが兵庫県南部地震クラスの強震動を受けた場合の免震支承と橋脚の非線形応答の相互作用について数値解析的に検討した.ここでは,橋脚の降伏耐力に対する免震支承の降伏剛力の比(以下,降伏耐力比と呼ぶ)をパラメータとして,降伏後剛性を持たないすべり支承型と降伏後剛性を有するHDR・LRB型の2通りの免震支承に対して非線形地震応答解析を行った. すべり支承型を用いた場合には,降伏耐力比を0.1付近まで下げると橋脚の応答が線形域内に収まることが示された.降伏耐力比を0.1付近まで下げることは,免震支承の降伏耐力を桁重量の6%以下に設定することを意味するため,免震支承に0.3m以上の変位(250%以上のせん断変形)が生じてしまい,現実的な免震設計とはならない.そのため,兵庫県南部地震クラスの強震動を想定すると,すべり支承型の場合には橋脚の非線形化は避けられないことになる. 一方,HDR・LRB型免震支承を用いた場合には,降伏耐力比を0.1程度まで小さくすると,橋脚の応答が低減されるのではなく,むしろ大きくなってしまう.これは,免震支承の降伏耐力が小さくなると,免震支承に生じる水平変位が大きくなる結果,免震支承に生じる最大水平力が橋脚の降伏耐力を越えてしまい,橋脚に伝達される慣性力が大きくなるためである. このように,免震設計において降伏剛力比を設定する際には,免震支承および橋脚の双方の非線形化,およびそのメカニズムに対して配慮する必要がある.上述した免震支承の降伏後剛性の違いによるパラメータ解析結果は免震支承と橋脚の降伏耐力の設定に際して重要な情報になると考えられる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kawashima,K and Shoji,G: "Interaction of Hysteretic Behavior between Isolator/Damper and Pier in an Isolated Bridge" Journal of Structural Engineering. Vol.44A. 733-741 (1998)
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[Publications] Kawashima,K and Shoji,G: "Nonlinear Hysteretic Interaction between Device and Pier in an Isolated Bridge" Proc.of 2nd World Conference on Structural Control. 877-884 (1998)
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[Publications] 庄司学,川島一彦: "免震支承-橋脚間の非線形相互作用の評価" 第10回日本地震工学シンポジウム論文集. 2817-2822 (1998)