1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750368
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
辻原 治 和歌山工業高等専門学校, 助教授 (50188546)
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Keywords | 地盤震動 / 非線形 / 同定 / S波速度 / Q値 / 鉛直アレー / 最適センサ配置 |
Research Abstract |
本研究は,地盤同定手法を強震動アレー観測記録に適用することで,地盤の非線形化を定量的に評価し,体系化することを目的とする. 本年度の研究を通じて得られた成果を以下に述べる. 1)水平成層地盤のS波速度およびQ値の同定問題において,昨年度提案した未知変数の推定誤差評価法に基づくセンサー配置の最適性基準を示し,モンテカルロシミュレーションによる結果と比較して,その妥当性を検証した. 2)上述のセンサー配置の最適性基準が示されても,実際にそれをどのように使うかは別の問題である.そこで,センサーの位置を決める問題を,S波速度またはQ値の推定誤差を評価関数とし,センサーの設置深さを未知変数とする最適化問題として定式化した.そして,この問題への遺伝的アルゴリズム(GA)の適用性について検討した. 3)Q値の周波数依存性のかなりの部分が地盤中における地震波の散乱減衰で説明できることを実地震記録を用いて示した. 4)最大加速度が比較的大きな観測記録を用いた場合,地盤ひずみが大きい周波数帯においてQ値が小さくなることが確認できた.このことより,強震動を受ける地盤では,履歴減衰がQ値の周波数依存性として現れると考えられる.
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[Publications] 辻原治: "最大加速度記録を用いた断層位置の簡易推定法と精度について"土木学会応用力学論文集. Vol.2. 503-514 (1999)
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[Publications] 大江欽二郎: "四国地方の地震動予測システムの構築"自然災害科学. 18-3. 343-354 (1999)
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[Publications] 辻原治: "常時微動から推定した和歌山県田辺市の地盤震動特性"第25回地震工学研究発表会論文集. 209-212 (1999)
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[Publications] Osamu TSUJIHARA: "Reliability of identified dynamic soil properties of subsurface layers in ground by vertical array records"proc. of 12^<th> world conference on earthquake engineering. (CD-ROM). 8 (1999)
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[Publications] 辻原治: "鉛直アレー観測記録を用いた地盤のS波速度とQ値の同定におけるセンサーの最適配置に関する一考察"土木学会構造工学論文集. Vol.46A(発表予定). (2000)
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[Publications] 渡辺泰友: "最大地動の距離減衰に適合する工学的基盤での加速度波形作成方法の提案"第25回地震工学研究発表会論文集. 133-136 (1999)