1999 Fiscal Year Annual Research Report
岩盤の幾何構造のモデル化と力学的長期挙動に関する研究
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10750374
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
清木 隆文 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (10262875)
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Keywords | 岩石の幾何構造 / 代表要素(REV) / 寸法効果 / 鉱物組成 / 長期挙動 |
Research Abstract |
本研究は一般に健全と見なされる岩盤の長期的挙動の安全性を巨視的、微視的両方の立場から明らかにする研究の足がかりとして、岩盤の代表要素を抽出する手法を提案することを目的とした。実際の岩盤から表面および内部の幾何構造を読み出すためのデータを収集し、その内部状態を推定することを試みた。 平成10年度の実績 矩形岩塊(稲田花崗岩)表面の写真をもとにして画像データを作成し、対象岩盤の2次元的な代表要素(REV:Representative Elementary Volume)を抜き出した。はじめに、全体表面の画像データから切り抜く枠(供試体の断面)の大きさを様々に変えて、各鉱物(石英、長石、黒雲母)の体積含有率を計算し、統計的にREVの大きさを求めた。つづいて、同様の手順のもとに、弾性係数を計算し、寸法効果の影響がなくなる要素の大きさをREVとして算出した。さらに、均質化法を適用して全体構造の弾性係数を推定し、どの程度の要素を岩塊から切り出したらREVとして適当であるかを考察した。 平成11年度の実績 矩形岩盤の一つの面を対象に2次元的な代表要素を決める手法を3次元に拡張した。対象とする矩形岩塊において互いに直交しそうな3平面について画像データを作成した。このデータを用いて画像処理ソフトを通して各鉱物の含有率(占有面積)および楕円に近似した代表形状を計算し、3次元的な代表要素を適度なブロックの大きさから決定することを試みた。岩盤の長期力学挙動と岩盤内部の幾何構造の関連性については、今回の研究範疇では明らかにすることはできなかった。これは硬岩である花崗岩は構成鉱物そのものが堅固であり、粒界を除き力学特性の時間依存性が顕著でないためである。そこで構成鉱物に時間依存性の見られる岩石に対する検討が必要である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Seiki,T.,Miyawaki,E.and Ichikawa,Y.: "Computer Aided Modeling Procedure for Complex Geometry of Rocks"Proc.of 7th International Conference on Enhancement and Promotion of Computational Methods in Engineering and Science,Macao. Vo1.2. 1277-1286 (1999)
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[Publications] Seiki,T.,Nishi,J.,Ichikawa,Y.and Aydan,O.: "Consideration to the Geological Stability for Underground Space in Sedimentary Rock"Proc.of Reg.Symp.on Sedimentary Rock Eng.Taipei,Taiwan. 304-309 (1998)