1998 Fiscal Year Annual Research Report
AEを利用した破砕性地盤における杭の先端支持力発現機構とその評価に関する研究
Project/Area Number |
10750378
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大野 司郎 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70274488)
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Keywords | 支持力 / AE / 先端支持力 / 粒子破砕 / 圧縮性 / 初期応力 / 破砕性 / 破壊モード |
Research Abstract |
大型海洋構造物が顕著な破砕性を有する石灰質地盤上に盛んに建設され,杭基礎の支持力に関する幾つかの問題が生じている.その主なものに,支持力が通常の砂地盤に比べ低いこと,明確な極限支持力が観測されないことが挙げられる.従来の研究では,極限支持力に達した後の実験後のすべり線観察,粒子破砕量の定量等によって支持力の評価が試みられているが,破砕性地盤では明確な極限支持力が発現しないため,載荷試験の各段階において連続的に支持力の発現過程を把握する手法の開発が望まれている.その一つのアイディアとして,アコースティックエミッション(以下,AE)測定による破砕性地盤の支持力発現過程の観測が考えられる.これは地盤の破砕性を利用し,杭の載荷試験における先端支持力発現過程とその過程で生ずる粒子破砕の音エネルギーとを結びつけようとする試みであり,本研究はそれを用いて支持力評価の重要な手がかりとするものである. 本年度は,まず,砂の粒子破砕という現象を要素レベルでつぶさに捉えるため,単粒子破砕試験と一次元圧縮試験を実施し,それら試験中のAE測定を行いAE特性を把握した.また,三軸試験におけるせん断強度の発現と粒子破砕およびAE特性関係を把握するため,AE測定端子を取り付けた実験システムの開発を行い,基本的なAE特性を把握した.そこでは,堅い砂どおしの転移(ずれ)をAE特性として把握することは技術的に極めて難しいことがわかった.しかし,地盤材料の特徴"破砕性"を活かし,粒子が破砕する音に着目すれば,要素がほぼ破壊に至るときのAE特性が砂の降伏特性として把握できることがわかった.また,次年度に実施する杭先端付近のAE特性の把握のため,杭の載荷試験装置にAE測定システムを製作した.模型杭先端にAE測定素子を取り付け,模型地盤での破砕性音を精度良く関知するように載荷装置全本の音環境を整備した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Ohno,H.Ochiai,N.Yasufuku,T.Shimizu,S.Sawada: "Geotechnical Considerations of Skin Friction of Piles in Sands" Proceedings of 13th Southeast Asian Geotechnical conference,Southeast Asian Geotechnical Society. 539-544 (1998)
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[Publications] S.Ohno,H.Ochiai,N.Yasufuku: "Estimation of Pile Settlement in Calcareous Sands" Proceedings of 2nd International Conference on Engineering for Calcareous Sediments,ASCE-SAS(Printing). (1999)
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[Publications] J.M.Kwag,H.Ochiai,N.Yasufuku S.Ohno,M.Nakashima: "Yielding Stress Characteristics of Carbonate Sand in Relation to Individual Particle Fragmentation Strength" Proceedings of 2nd International Conference on Engineering for Calcareous Sediments,ASCE-SAS(Printing). (1999)
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[Publications] S.Ohno,S.Sawada: "Bearing capacity of piles in sands with different crushabilities under various stress conditions" 11th Asian Regional Conference,ISSMGE. Accepted. (1999)