1998 Fiscal Year Annual Research Report
オープンスペース周辺の火災旋風の発生パターンに関する基礎的研究
Project/Area Number |
10750384
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
池田 裕一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (20202898)
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Keywords | 火災旋風 / 都市火災 / オープンスペース / プルーム / 渦運動 / 組織的乱流運動 / 熱対流 |
Research Abstract |
本研究は,オープンスペース周辺における火災旋風の発生条件と規模を明らかにするために,流れの可視化の容易な水中で炎の代わりにヒーターを用いて実験を行い,検討を加えるものであり,今年度は以下のような成果が得られた. 1. アクリル製の円形水槽を新たに製作し,その底面にさまざまな形状の熱源を設置できるような実験システムを構築した.熱源の形状としては,円形,U字形,V字形の3種類とし,オープンスペース周辺の火災域の形状により火災旋風の発生の仕方がどのように異なるか調べた. 2. 流れの可視化により,熱源全体から上昇流が現れるのではなく,いったん中心部に流れが集中してから上方に向かうことが分かった.その際,円形熱源では熱源全体で小さなキノコ状の組織渦が多数間欠的に発生し,それが中央に移動しながら合体していく様子が見られた.合体した流れはしばらく上昇した後に大きなひとつのキノコ状の渦を間欠的に発生させていた. 3. U字形やV字形熱源では,円形の場合とはかなり異なる流況が見られた.そこでは鉛直方向に軸をもつ渦運動を観察することができた.特にU字形の場合に強い竜巻状の流況が見られた.V字形の場合は,2つの端転から互いに向きが逆向きの組織渦が間欠的に発生していた. 4. 熱源の中心部で上昇流速と水温の鉛直分布を測定したところ,円形熱源の場合は合体語にキノコ渦が生じる高さで水温の乱れがピークを示した.U字形やV字形の場合は,組織渦が活発な高さまでは平均値・乱れともには大きいが,それ以上の高さでは弱いことがわかった.
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