1998 Fiscal Year Annual Research Report
流通業における物流施設立地モデルの開発と物流合理化のための交通施設整備
Project/Area Number |
10750396
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石黒 一彦 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (60282034)
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Keywords | 卸売業立地 / 物流施設立地 |
Research Abstract |
平成10年度は流通業における物流施設立地の現状把握と立地要因の検討を行い,プロトタイプの立地モデルの開発を試みた. 卸売業の現状と最近の動向を昭和50年,55年,60年,平成2年の4時点について,全国貨物純流動調査の結果を基に把握した上で,物流行動から見た地域間の卸売業の階層構造を明らかにした.品目別に違いがあるものの,大手卸から中小卸へ,概ね2段階から3段階の階層構造となっていることを確認した. 卸売業について,立地モデルについての文献から卸売業の立地要因として考えられるものを検討し,また立地モデルとして適当と思われる式の形をいくつか特定した.分析単位は県とし品目数は生産財,中間財,消費財それぞれ3品目ずつ計9品目とした.本研究では全国貨物純流動調査における取扱量分布を立地分布と見なすこととし,更にそれら4時点47都道府県における立地状況を,できるだけ誤差が小さくなるようなモデルの形式を品目毎に試行錯誤を繰り返しながら求めるため,まず変数と係数の線形和や対数和等で精度がどの程度となるかを確認した.変数としては,各時点及びその5年前,10年前の消費の代替指標としての人口と,生産指標である工業生産額,また立地に大きく寄与すると思われる交通施設整備状況を考えた.工業生産額よりも人口の方が卸売業の活動により大きく寄与していることが確認された.現在と過去のデータを同時に用いる場合は変数間の相関が非常に大きく,取扱が困難であり,分析方法を検討中である.
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