1998 Fiscal Year Annual Research Report
数値地理情報と衛星リモートセンシングデータを用いた日立市の森林環境の把握
Project/Area Number |
10750397
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
桑原 裕史 茨城大学, 工学部, 助手 (80272110)
|
Keywords | 衛星リモートセンシングデータ / 植生指標 / 可視近赤外データ / LANDSAT / ソイルライン / 環境情報 |
Research Abstract |
具体的に6つの小目的を設定して研究を展開した。以下、目的毎に研究成果を列挙する。 (1) 情報項目の定義と情報の収集・整理:本目的に関しては、1990年〜1994年および最新データとして1997年の衛星データの整備、日立市周辺領域の数値地形モデルの加工・編集さらに参考文献を十数編入手した。このデータと情報を使用して、以下の解析作業を展開した。 (2) 衛星データを用いた土地被覆分類図および植生指標図の作成:一般的な衛星データの分類方法である教師付き最尤法を用いて、大火災の発生した1991年のデータより土地被覆分類図を作成した。さらに、正規化植生指標に加えて、文献調査で情報を入手したK値植生指標およびTasseled Cap変換のGreennessの2つの植生指標図を衛星データより作成した。K値植生指標を計算する際に定義する非植生ライン(ソイルラインと呼ぶ)の計算に際して必要となる湿潤〜乾燥した裸地の選定問題に関する検討および可視-近赤外散布図と土地被覆との対応問題について後述した発表論文で議論した。さらに、植生域評価という同一解析目的に対する指標間の評価結果の違いについて発表論文で議論を展開した。 (3) 数値地形モデルを用いた各種地形情報の作成:本項目については、標高区分、起伏、開析、傾斜、等高線、水系、谷密度および日陰各図の作成を進めた。 (5) データセットの整備:以上の解析基礎データを、日立市を6等分したエリア毎にデータサイズを統一させ、データセット化した。HTMLを用いてホームページにて展開する準備も終了した。 現状の研究では、セット化したデータを対象として、植生指標と地形情報の相関関係の分析を進め、市街化区域に高い反応を示す開析度図以外の地形情報は植生活力と相関が高いことを確認した。危険域の評価問題と森林の枯死原因の分類には現地調査の必要性が強く認識されたため、来年度の課題とし、必要とする計測機器の購入作業を進めた。
|
-
[Publications] 桑原裕史: "複数の植生指標を用いた日立市の森林環境評価結果の比較" 環境情報科学論文集. No.12. 113-118 (1998)
-
[Publications] 桑原裕史: "可視-近赤外散布図による土地被覆の分析 -森と海に隣接する都市の場合-" 環境システム計測制御学会論文集. Vol.3, No.2. 153-156 (1998)