1998 Fiscal Year Annual Research Report
接続可能な消費行動様式への転換による循環形成効果の評価
Project/Area Number |
10750412
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 登 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60263224)
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Keywords | 接続可能な消費 / 循環 / 指標製品 / 線形計画 / 消費様式 |
Research Abstract |
持続可能な消費様式への転換による循環形成効果の評価について,電子情報機器及び食品系有機物残滓を指標製品として取り上げて解析をおこなった. 均衡産出高オープンモデルをベースにした他部門線形計画分析をおこなう基礎として,まずモデル作成に必要なデータを以下のように獲得した.第1に,廃PCの回収について,逆ロジスティクスの各区間がどの程度の比率になるかをオーダーとして掴むための基礎的検討をおこなった.これをもとに一般モデルとしての定式化をおこなって変数変化の影響を考察した.第2に,農地から家計を含めた広義の食品の生産・消費システムとそれに携わるフードチェインのセクターを対象として現状のマテリアルフローを解析し,それぞれのエネルギー投入量,副産物量を把握した. 解析の結果,廃PCについては,5058店舗(67市区町村あたり約75、約400平方mあたりに1つ)という販売拠点数の多さに起因して、PCの回収総走行台キロの8割を販売拠点〜回収拠点までの搬送がしめる結果となった.環境負荷への変換では、回収ロットの差から全体への寄与率は低下することが予想されるが最も大きな割合になることは容易に推察される.参考までに,これを市区町村あたり10程度の販売拠点(約2.8平方キロに1店舗)で回収するとした場合は,走行台キロは約8分の1にまで縮小し,回収拠点〜解体拠点の走行台キロが約5割を占め最も大きな寄与を与えることになった.また、有機副産物については,現状レベルの転換装置の炭酸ガス集約度や転換効率においても、適切な集約度の流通店舗(総供給の約5割に相当する中大型30店舗)での嫌気性消化と燃料電池システムを家庭系の下水汚泥と組み合わせることで,より環境効率の高いシステムを形成する可能性があることが分かった. これを,もとに,再資源化部門のアクティビティを含むモデル制約式とコスト、社会的効用などの目的関数設定の検討をおこなった.
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[Publications] 盛岡通,吉田登 他: "情報家電製品の回収システムの評価に関する研究" 環境システム研究. Vol.26. 533-542 (1998)
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[Publications] Tohru Morioka,Noboru Yoshida etal: "Study on Life Lyde Assessment of Cycle-oriented Waste Management in Food System" Proceedings of The Third.International Conference on Eco Balance. 187-192 (1998)