1998 Fiscal Year Annual Research Report
省廃棄物型社会実現の為の生ゴミの完全処理システムの開発-生物処理法による完全処理と有価エネルギー回収-
Project/Area Number |
10750415
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
今井 剛 山口大学, 工学部, 助手 (20263791)
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Keywords | 厨芥ゴミ / 資源化 / 実態調査 / 廃棄物処理 / 減容化 / 嫌気・好気性処理 / エネルギー回収 / ゼロエミッション |
Research Abstract |
本研究では、山口県宇部市の学生寮(約300名)の食堂をモデルケースとして、厨芥ゴミの発生量を調査して、その成分分析を行い、その生物学的処理特性を検討した。その調査結果を踏まえて、厨芥ゴミの減容化を目指した生物学的処理システムについて実験的検討を行った。 厨芥ゴミの発生量調査では、その容積および重量を定期的に測定した。厨芥ゴミのサンプリングに関しては、ゴミ袋の中の厨芥物を均等に混ぜて200g程度採取し、前処理として500mlの水を加えた後、ディスポーザーにより破砕した。破砕したサンプルに対して、全窒素、全リン、COD_<Cr>、n-ヘキサン抽出量の測定を行った。 厨芥ゴミの発生量調査およびサンプリングは、1ヶ月間連続的に継続し、その後週に1度の頻度で調査を継続した。厨芥ゴミ排出量調査結果から、厨芥ゴミの発生量は時期的な変動はほとんどなく、成分的にも変動が少ないことが明らかとなった。また、厨芥ゴミ成分分析結果からCODに比較してT-N、T-Pの比率が極端に少なかった。これは、寮の食堂から排出される厨芥ゴミのほとんどが穀類を中心とする残飯であったことによると考えられる。以上の成分析結果から、本研究で対象とした学生寮の食堂から排出される厨芥ゴミは、炭素源が豊富であり、生物分解性に富むものであることが明らかとなった。 厨芥ゴミをディスポーザーで破砕した後、嫌気(UASB法)・好気(膜分離高濃度活性汚泥法)それぞれ単独の処理プロセスに投入し、その生分解特性の把握を行った。実験結果結果から、嫌気・好気両処理プロセスともに炭素成分の除去はほぼ完全に行われており、好気処理プロセスでは窒素・リンの除去も良好に行われることが明らかとなった。今後は、これらの嫌気・好気両プロセスを組み合わせ、厨芥ゴミからの有価エネルギー回収型減容化処理システムを構築する予定である。
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