1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750422
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 哲 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (60230455)
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Keywords | 鉄骨構造 / 耐震性能 / カーテンウォール |
Research Abstract |
鋼構造建築物は耐震性能・施工性に優れており、都市部の商業建築等に多く採用されているが、その耐震性能は主として柱と梁によって構成される主架構の塑性変形によって保証されているため、大地震時においてはある程度大きな変形が生じることが前提となっている。一般に、鋼構造建築物の外壁はカーテンウォールであり、主架構と一体ではなくボルト等によって主架構に接着されているので、主架構がある程度以上大きな変形をすると、その一部が剥離し落下する可能性がある。これは、主架構における耐震性能がカーテンウォールの変形追従能力によって事実上制限されていることになる。実際、兵庫県南部地震においても、主架構は大きな被害を受けていないにも関わらず、外壁の剥離・落下により建築物としての機能が一時的に失われた事例が数多く見られた。本研究では、鋼構造建築物の耐震性能の確保と、カーテンウォールの剥離落下の防止の双方の観点から、付属物であるカーテンウォールの耐震性まで考慮した鋼構造建築物の合理的耐震設計法を模索することを目的としている。初年度の平成10年度においては、兵庫県南部地震でカーテンウォール剥離の被害を受けた鋼構造建築物に関して、主架構を構成する部材情報・カーテンウォールの取り付け部詳細のみならず、動的解析における地震入力を適切なものとするための地盤支持条件までを含んだ設計資料を収集した。また、設計資料に基づいた被災建物の動的解析を行うべく、弾塑性応答解析プログラムの開発を行った。
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