1998 Fiscal Year Annual Research Report
砺波平野における在郷町の居住特性からみた構成原理に関する研究
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10750451
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
黒野 弘靖 新潟大学, 工学部, 講師 (80221951)
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Keywords | 在郷町 / 居住 / 屋敷構え / 水系 / 道路 |
Research Abstract |
1) 富山県における在郷町の収集、調査、公開 1) 平野部全域における在郷町の事例収集 平野部に立地する在郷町は、砺波平野23、富山平野14、黒部川扇状地8の計45となっている。これらすべての空間構成を把握した。収集方法は、文献調査 研究者への聞き取り調査 写真撮影による。 2) 在郷町の分類 収集した事例を、まず形態によって分類した。その指標として、道路や水路のとおり方、屋敷構え、町内組織の範囲、に注目した。なお水路は、計画設定における重要な条件として使われているので、耕地整理前の状態を復原して、その位置を把握した。 3) 歴史地理学の成果の援用による集落の形成過程の把握 砺波平野の在郷町の成立時期については、歴史地理学分野の研究により詳細に調べられている。これにより町の形態と成立年代との対応を確認した。 4) 道路・水路の構成、土地利用に表れる住居集合を考慮した全体と個の関係の理解 町の集落図(1/2000)を作成し、各屋敷の入口の位置、付属屋の位置を把握した。町のなかには、玄関の位置や土蔵の配置が水路の方向性に従うところがある。こうした拠り所となる原則とそれが反映される範囲を、町ごとに確認した。また、地籍図から一軒の土地所有と利用、それを集積した町全域の領域を把握し、空間構成との対応をみた。この調査については、小矢部市「津沢」、高岡市「立野」、高岡市「大清水」の三カ所について実施した。 以上の在郷町のデータのうち、小矢部市「津沢」に関する分析を、日本建築学会計画系論文集・第509号.PP.143-148および建築資料研究社「住まいを読む・現代日本住居論」pp.55-64に掲載した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 黒野弘靖,菊地成朋: "街路と屋敷の対応関係からみた在郷町の空間特性-小矢部市津沢のケーススタディ" 日本建築学会計画系論文集. 509. 143-148 (1998)
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[Publications] 鈴木成文ほか: "住まいを読む-現代日本住居論" 建築資料研究社, 183 (1999)