1999 Fiscal Year Annual Research Report
クレイズおよびネッキングによる視界制御性およびレンズフィルムに関する研究
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10750504
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
武野 明義 岐阜大学, 工学部, 助教授 (70227049)
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Keywords | クレイズ / ネッキング / 視界制御性 / ポリプロピレンフィルム / ポリフッ化ビニリデン / 残留応力 / 残留ひずみ / 絡み合い密度 |
Research Abstract |
クレイズおよびネッキングを、故意にフィルムに発生させることにより、高次構造の異なる相からなる複合構造を持つフィルムが得られる。これらは、透明性や光散乱特性に異方性を示し、視点により透明性が異なる視界制御性フィルムとして応用が可能である。前年度の実験では結晶性高分子であるポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリプロピレンフィルム(PP)に関して残留ひずみとクレイズの制御の関係を明らかにし、ポリエステルフィルムについて、そのキャスト条件により分子の絡み合いが異なることを示唆する結果を得た。 そこで、非晶性ポリエチレンテレフタレート(A-PET)についても、一定張力および曲げの組み合わせにより、クレイズおよびネッキングを制御する方法を試みたが、容易にネッキング延伸が生じてしまいクレイズの制御が困難であることが分かった。特性比および絡み合い点間分子量から、A-PETは延性的な性質が予測され、実際に、単純引張試験ではそのような結果が得られる。PPおよびPVDFなどでは、破断応力に近い一定張力および曲げによるフィルム外側の張力を加わることによって、クレイズ発生応力に達するよう調整した。この場合、条件としては延伸処理に近いことから、新規に装置を作り直し、フィルムの曲げによる張力を優位とし、フィルム全体に加わる張力を最小限とするよう改良した。その結果、A-PETに対してもクレイズの制御が可能となった。フィルムの深さ方向に対するクレイズ成長が遅いため処理回数を重ねる必要があるが、このクレイズを複合したA-PETは良好な視界制御性を示した。これにより、比較的延性な高分子材料に対してもクレイズの制御が可能となった。また、レンズフィルム状の規則性ネッキングが、溶液キャスト法によるPETフィルムおよびポリカーボネートフィルムなどで得られ、顕微鏡下では集光する様子が観察できた。
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