1998 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃的負荷を受けるゴム強化樹脂の破壊メカニズムに関する研究
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10750506
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東藤 貢 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (80274538)
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Keywords | 衝撃曲げ試験 / スプリットホプキンソン棒法 / アクリル樹脂 / 動的破壊じん性 / 応力拡大係数 / 有限要素解析 |
Research Abstract |
平成10年度の研究実績は,1.スプリントホプキンソン棒法(SHB法)を応用した衝撃曲げ試験機(以下SHB試験機と略する)の作製,2.SHB試験機に対する予備試験としてアクリル樹脂の動的破壊じん性の測定,に大別される. 1. 高圧空気を利用して材料に衝撃的負荷を加えるSHB法を応用した衝撃曲げ試験機を作製した.空気圧を調整することで負荷速度を変えることができ,最高20m/s程度までの衝撃負荷を加えることが可能である. 2. 開発したSHB試験機を用いてアクリル樹脂の動的破壊じん性(動的臨界応力拡大係数K_<Id>)の測定を行った.通常,K_<Id>の評価に対しては,静的評価において使用する臨界荷重と試験片形状の関数として表される簡便式の適用は難しく,有限要素法(FEM)等の数値解析的手法を用いて動的効果を考慮した解析が必要となる.本研究では,試験機負荷部に粘弾性緩衝材(シリコンゴム)を用いることで,立ち上がりの緩やかな負荷を意図的に試験片に加え,衝撃負荷下ながら静的簡便式の適用が可能な応力状態を実現することを試みた.衝撃試験から得られた荷重点変位-時間関係を入力データとして動的FEM解析を行った結果,立ち上がりの緩やかな衝撃負荷を受ける試験片の応力状態は,同じ大きさの静的変位を加えた場合の試験片の応力状態とほぼ一致しており,本研究における静的簡便式の適用の妥当性を示す結果が得られた.得られたK_<Id>は静的破壊じん性K_<Ic>に比較して約9%の上昇を示した.平成11年度は平成10年度に得られた知見を基に,ゴム成分およびゴム粒子の含有率が異なる3種類のゴム強化アクリル樹脂の動的破壊じん性を異なる負荷速度で測定し,動的破壊じん性に及ぼす負荷速度の影響について調べる予定である.
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