1998 Fiscal Year Annual Research Report
高温(〜1500℃)NMR法で見る無機物質の機能と構造
Project/Area Number |
10750536
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前川 英己 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60238847)
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Keywords | 無機物質 / 固体電解質 / 融体 / ガラス / 高温 / NMR法 |
Research Abstract |
本年度の研究計画に基づき、高温下でプロトン伝導性を示す一連のペロブスカイト型化合物(SrCe_<1-X>Y_XO_<3-δ>など)について室温から1000℃程度までの温度下での^1H核NMRその場測定を行った。NMRスペクトルおよび緩和時間の温度依存性について添加イオン濃度の影響を中心に一連の測定を行った。その結果、SrCe_<1-X>Y_XO_<3-δ>については、測定した温度領域(室温〜500℃)においてほぼプロトン伝導が電気伝導を支配しているとして、実測の電気伝導度とNMRから求められるプロトンの移動度が適当なジャンプ距離を用いて説明できることが明らかとなった。この結果については現在Solid State Ionics誌に投稿、受理され印刷中である。 また、典型的無機ガラス材料であるシリケート、およびアルミノシリケートに対する水の影響について^<17>O核を酸素同位体濃縮した試料を合成し、NMR法を適応した。その結果ガラス中の水酸基および水分子を2次元NMR法を用いて分離、定量できることを明らかにした。この結果はJ.Am.Chem.Soc.120(1998)9894-9901に掲載された。 また、機能性無機材料の基本構造であるスピネル型構造について鉱物のスピネル(MgAl_2O_4)および合成亜鉛スピネル(ZnAl_2O_4)中の興味深い現象であるアルミニウムイオンの結晶席交換反応についてその反応速度を^<27>AlNMR測定により観測した。その結果、アルミニウムのスピネル結晶中の4配位席と6配位席の間の交換反応の正反応と逆反応の速度を精度良く決定することができた。また、その比は平衡時での4配位席と6配位席の割合に良く一致した。この結果については現在J.Am.Ceram.Soc.誌に投稿、受理され印刷中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Maekawa: "High Temperature ^1HNMR Study of Proton Conducting Oxide SrCe_<0.95>Y_<0.05>H_<0.004>O_<3-δ>" Solid State Ionics印刷中. (1999)
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[Publications] N.Kashii: "Dynamics of the Cation Mixing of MgAl_2O_4 and ZnAl_2O_4 Spinel" J.Am.Ceram.Soc.印刷中. (1999)
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[Publications] H.Maekawa: "Water in Silicate Glass: ^<17>O NMR of Hydrous Silica,Albite,and Na_2Si_4O_9 Glasses" J.Phys.Chem.102(39). 7523-7529 (1998)
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[Publications] Z.Xu: "Oxygen Speciation in Hydrous Silicate Glasses-An Oxygen-17 NMR Study" J.Am.Chem.Soc.120(38). 9894-9901 (1998)
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[Publications] T.Sakurada: "Cu(II)/Cu(I)/Cu Redox in Alkali Borate Melts" Materials Transactions,JIM. 39(7). 740-746 (1998)
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[Publications] T.Nakanishi: "Redox Potential of Mo(VI)/Mo in Alkali Borate Melts" Materials Transactions,JIM. 39(3). 399-403 (1998)