微粉炭燃焼における科学技術の適用と合理的設計法の提案

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10750543
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 青木 秀之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40241533)
• Keywords: 微粉炭燃焼 / 石炭ガス化 / 石炭溶融灰 / 炉壁 / 付着モデル / シミュレーション / k-ε2方程式モデル / Lagrange法

Research Abstract

本研究は、化石エネルギーの有効利用に向け微粉炭燃焼やガス化等により、炉内において発生し炉の操業を阻害することで知られる石炭溶融灰挙動を解明し、最終峠にトータルシミュレーションモデルを開発することを目的に開始された。特に炉壁近傍の溶融灰壁面付着挙動に着目し、その付着挙動を解明するために、等温場において非旋回気流中に石炭灰に見立てた粒子を流し、粒子の実験装置壁面を流れるスラグ層に見立てた水飴水溶液への付着量の測定を行った。粒子の供給速度を一定とするために、スクリュー式粒子供給装置の開発を行った。実験結果から、粒径φ5μmの場合に比べφ15μmの場合、付着率が大きいという結果が得られた。粒子供給速度の変化について、速度が大きくなるほど付着率が減少するという結果が得られた。また、粒子の壁面への付着挙動についてのシミュレーションモデル構築を目指し、気相については乱流モデルとしてκ-ε2方程式モデル、粒子挙動については乱流による乱流変動を考慮したLagrange法を用いてシミュレーションを行った。気相と粒子相の相互作用については両相の運動量の交換により考慮した。粒子同士の衝突モデルおよび粒子と壁面との衝突モデルを考慮し解析を行った。実験装置を参考に直方ダクト中の均質な乱流を計算対象とし、計算対象粒子数を最大で1000個とした。壁面近傍の粒子運動に注目し、ダクト入り口において壁近傍に粒子を一様に供給した。粒子の付着判定について壁面は高粘性の液体が付着していることから、一回の衝突で粒子が付着すると仮定した。また粒径の影響を調べるために種々の粒径の粒子について壁面近傍に粒子を配置し粒子の壁面に対する挙動について解析した結果、粒径により付着挙動が異なることが確認された。粒子の付着挙動は粒子の慣性力により、粒子が壁面に到達できるだけの慣性力を持ち、衝突後の反発力が小さい場合に起こると考えられる。