1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750556
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安田 啓司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80293645)
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Keywords | A重油 / C重油 / W / Oエマルジョン / 含水率 / 塩析 / 界面活性物質 / 人工海水 / 光学顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は、超音波による重油エマルジョンの分離の基礎検討として、海面や水面に重油が流出した場合を想定し、エマルジョン形成過程における重油エマルジョンの含水率の変化について実験的に検討した。試料には出光興産株式会社愛知製油所のA重油、C重油を用いた。内径80mm、高さ150mmの円筒形の蓋付きガラス瓶に重油25mlと人工海水(JIS K 2510)あるいは蒸留水250mlを入れ、恒温往復振とう装置内に設置した。振とう条件を周期2 Hz、振幅20mm、温度25℃とした。含水率を蒸留式水分試験器から体積分率として求めた(JIS K 2275)。振とう開始後の含水率の経時変化をみると、水相の種類によらず、A重油はほとんどエマルジョン化し・なかった。一方、C重油と蒸留水を振とうした場合、10時間まで含水率が50vol%程度まで増加し、その後ほぼ一定となることが分かった。以上のことは、C重油にはA重油に比べて、アスファルトのような界面活性物質が多く含まれ、これらがエマルジョン形成に関・与しているためと考えられる。また、C重油と海水を振とうした場合、蒸留水に比べて、エマルジョン化が緩やかに進行し、同一振とう時間における含水率は低いことが明らかとなった。これは、海水中に溶解している塩の塩析効果によるものと思われる。なお、光学顕微鏡でC重油のエマルジョンを観察したところ、分散相が水で連続相が油であるW/O型のエマルジョンが形成されており、直径が0.5〜5μmの水滴が多く見られた。水滴の数は振とう時間と共に増加した。
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Research Products
(1 results)