1998 Fiscal Year Annual Research Report
生体高分子によるオルガノゲル系でのリパーゼを触媒とした連続エステル合成
Project/Area Number |
10750562
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
長山 和史 高知工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (00270364)
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Keywords | 生体高分子 / オルガノゲル / リパーゼ / エステル合成 |
Research Abstract |
生体由来高分子であるゼラチンを添加することにより両親媒性分子としてAOTを用いたマイクロエマルション相を高強度ゲル組織化し,ゲル内に固定化したCandida rugosaリパーゼを触媒としたラウリン酸とブタノールを基質とするエステルの連続合成プロセス構築に関する基礎的検討を行った。 1 至適反応条件 ゲル組織内のAOT濃度を指標としてリパーゼの反応活性を実験的に求め,反応活性が最大値を示すAOT濃度の存在を明らかにした。また,ゲル相水分量の指標としてW_G値(=[H_2O]/[AOT](ゲル体積基準))を用いた際の反応活性も合わせて実測し,反応活性が最大に発揮されるW_G値を求めた。一方,異なる生体高分子によるゲル作成を行い,ゼラチン添加によるゲル組織が安定的に調整されることが認められた。 2 速度論的解析 ゲル組織内部の基質の有効拡散係数をAOT濃度並びにゲル相水分量を指標として実験的に求め,有効拡散係数の変化と反応活性の変化が一致することを明らかにした。ここで,本ゲル組織での基質の拡散係数は自由溶液系と比較して約1/10であることが認められた.また,本ゲル組織での基質の分配係数を実験的に求め,最適な組織条件下におけるゲル内でのリパーゼの反応効率を速度論解析による速度定数を通じて算出し,本系での高効率なエステル生産を達成するための基質濃度並びにゲル粒子径を求め,連続的な物質生産を可能にする反応プロセスの基礎的指針を示した.
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