1998 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質固体の容量効果を利用した廃棄物流動層燃焼装置からの未燃炭化水素の排出低減
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10750564
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
清水 忠明 新潟大学, 工学部, 助手 (10211286)
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Keywords | 廃棄物 / 流動層燃焼装置 / 炭化水素 / ダイオキシン / ポリスチレン / 多孔質固体 / 容量効果 / 熱分解 |
Research Abstract |
本研究は廃棄物焼却システムである流動層燃焼からのダイオキシン発生の前駆物質である未燃炭化水素の排出低減を目的としている。多孔質アルミナなどの多孔質には比較的高温で炭化水素を細孔内に保持する、いわゆる「容量効果」があることが重質油の流動層熱分解では知られている。本研究では廃棄物流動層焼却のときに流動媒体に多孔質粒子用いた場合にも、この容量効果が見られるかどうかを明らかにすることを直接の目的としている。 本研究では、まず固定層反応装置を用いてアルミナ系とシリカ系の多孔質粒子を充填し、その中に酸素+窒素混合ガスを流通して、粒子層の上に模擬廃棄物であるポリスチレンペレットを投下して燃焼を行い、ポリスチレン中の炭素のCO_2への完全燃焼割合を測定した。対照実験として、通常の流動媒体である緻密な石英砂を用いる実験も行った。その結果、緻密粒子に比べて多孔質粒子ではCO_2への転換率が大きく向上することがわかった。アルミナ系多孔質とシリカ系多孔質ではともに促進効果が見られ、多孔質の組成に対する依存性は小さいことがわかった。 また、固定層反応装置で窒素のみを流通した中にペレットを投入して熱分解させ、粒子上に保持された炭素量を測定する実験も行った。緻密粒子ではほとんど炭素保持がなかったが、多孔質粒子では投入炭素量の約半分が粒子上に保持された。アルミナ系多孔質とシリカ系多孔質ではともに炭素析出が見られた。また、焼成して多孔質にした石灰石を用いた実験も行ったが、同様に炭素析出が見られた。炭素保持効果の組成に対する依存性は小さいことがわかった。 一方、これらの多孔質には含窒素廃棄物の熱分解で生じるHCNの酸化によるNOx生成触媒効果があり、NOx対策については今後の検討を必要とする。
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[Publications] H-J Franke,T.Shimizu,他3名: "Proceedings of 6th International Conference on Circulating Fluidized Beds" DECHEMA e.V. German Soc.for Chemical Apparatus,Chem.Engi.and Biotechnol.(発表予定), (1999)