1998 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属錯体を鋳型剤とするミクロ多孔性結晶の結晶化機構の解明
Project/Area Number |
10750566
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩本 伸司 京都大学, 工学研究科, 助手 (50252482)
|
Keywords | BEA型ミクロ多孔性結晶 / 水熱合成 / HF共存 / BEA型シリカ / メタロシリケート / ハイシリカ |
Research Abstract |
酸素12員環の3次元細孔構造を持つBEA型ミクロ多孔性結晶のシリカおよびメタロシリケートのフッ素イオン共存下での合成を検討した。BEA型シリカは出発ゲル組成を1.0TEOS:0.5TEAOH:0.5HF:xH_2O:yC_2H_5OHとし、Si源のテトラエチルシリケート(TEOS)と鋳型剤の35%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)水溶液を混合撹拌後、60〜80℃で加熱処理し、さらに47%HF水溶液を加えた後、オートクレーブ中、140〜200℃で結晶化させた。BEA型メタロシリケートは、金属アセチルアセトナートをエタノールに溶解後にTEOSと混合し、以後同様の方法で水熱合成した。BEA型シリカの合成で、TEOSとTEAOHの混合後に加熱処理を行わないと、結晶性の生成物は得られなかった。一方、60℃で2h加熱した場合には、結晶化温度140℃,12日の水熱合成で粒径数十μmのBEA型シリカが単一相で得られた。結晶化温度を上昇させると結晶化時間が短縮でき、180℃まではBEA型シリカが単一相で得られたが、200℃ではMFI型が生成した。加熱処理を80℃,24hとした場合、140〜200℃の結晶化温度でいずれもBEA型シリカのみが得られ、ゲル中に含まれる水とエタノールを十分に除去することで生成温度域が拡大した。メタロシリケートの合成では、TEOS-TEAOH混合溶液にエタノールに溶解したアセチルアセトナートを添加すると透明なゲルが得られ、この方法でAlの場合はSi/Al仕込み比が∞〜20、またFeの場合はSi/Fe仕込み比が∞〜50の広範囲でハイシリカなBEA型メタロシリケートが合成できた。Co,Ni,Crの場合もBEA型の生成物が得られたが、焼成後の試料のUV-Visスペクトルに6配位状態のイオンによる吸収がみられ、BEA骨格への同型置換はできなかった。
|