1998 Fiscal Year Annual Research Report
光熱変換分光法による単一ミクロ液滴抽出in-situ微量定量法の開発
Project/Area Number |
10750584
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
原田 雅章 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (00251364)
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Keywords | 光熱変換法 / ミクロ液滴 / iu-situ / 溶媒抽出 / バソクプロイン |
Research Abstract |
単一ミクロ液滴をin-situで定量するための光熱変換分光装置を試作した。アルゴンイオンレーザ(488nm、100mW、ナショナルレーザ社H210BLa0E7、購入)からの励起光をメカニカルチョッパーにより強度変調し、単一ミクロ液滴に入射する。液滴の光吸収により生じる熱をプローブ光(ヘリウムネオンレーザ、633nm、5mW)の強度変化としてロックインアンプ(SRS社SR530、購入)で同期検出することにより、単一ミクロ液滴中に含まれれる微量化学種をin-situで定量する。今回は先ず、試料として50ppm銅(I)イオン溶液から銅(I)イオンを抽出したバソクプロインのイソアミルアルコール溶液(5×10^<-4>mol/l)の一滴(〜μl)試料を用い、これをマイクロシリンジにより空気中に保持した。これにより単一ミクロ液滴分析に関する予備的なデータを得るとともに、最適な光学系などについて検討した。光学配置については、励起光とプローブ光を直交させて液滴に入射する配置と、同軸にして入射する配置の二通りの測定を試みた。後者の配置はより簡単な配置であり応用上有望と思われるが、現状ではまだ液滴からの光熱変換信号を取得するに至っていない。これは測定上の問題ではないかと考えているが原因はまだ不明である。しかし、前者の配置では信号を確認することができた。これまでに分かったこととしては、空気中の測定でも信号強度は数μV程度とかなり弱いこと、信号強度は液滴の形成・消滅に伴い変化すること、液滴の保持体(今回はシリンジ針)からの信号と巧く区別してやる必要があること、などである。今後は光学系の最適化をはかるとともに問題点を改善し、定量的検討および液中での抽出過程のモニタリング等へ応用していく予定である。
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