1998 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学法によるチタン基板表面のマイクロパターニング
Project/Area Number |
10750591
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
村上 泰 信州大学, 繊維学部, 助教授 (90219907)
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Keywords | チタン基板 / 腐食 / マイクロパターニング / 電気化学 |
Research Abstract |
チタン金属は酸に強く、酸化消耗も受けにくいため、工業電解用アノードの基板として広く用いられている。このチタン基板表面にマイクロオーダーの凹凸をつけるパターニング修飾の技術を確立をめざして、本年度はチタン金属の表面処理と腐食挙動の関係を明らかにすることを目的とした。 表面を機械研磨して平坦なチタン基板を作製し、フッ酸と過酸化水素の混合溶液を用いて化学研磨した後、電気化学的に腐食試験を行った。種々の電解液を試みた結果、1MKBr+0.1Mグルコン酸溶液を用いた場合に、チタン基板が腐食されやすかった。 さらに、機械研磨処理と化学研磨処理の間にチタン表面の酸化処理を加えると、化学研磨後の電気化学試験においてより著しい腐食が観察された。化学研磨によって酸化物層が除去されることが知られている。除去される酸化物層の厚さによって、除去された後に露出するチタン表面の性状をかえると考えられる。 機械研磨処理後にスパッタ処理をおこなってチタン基板を粗面化し、酸化処理、化学研磨処理の後、腐食試験をおこなった。平滑なチタン基板を用いた場合とは異なる腐食挙動が認められた。チタン基板が粗面化されることによって、生成した酸化物層に違いが生じたと考えられる。
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