1999 Fiscal Year Annual Research Report
環状ポリエーテル骨格構築法の開発及び海洋産天然物合成への応用
Project/Area Number |
10750622
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 敏夫 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80202133)
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Keywords | 環状ポリエーテル / 海洋産天然物 / ルイス酸 / ヒドロキシエポキシド / 環化反応 / 立体特異的 |
Research Abstract |
代表的海洋産天然物である、環状ポリエーテル化合物群の基本骨格構築法の検討を行った。これら天然物は共通して7〜9員環の中員環を含むエーテル環が全てtransに縮環した繰り返し構造を有している。その合成にあたっては縮環様式を制御した各リングサイズのエーテル環を如何に構築するかが鍵となる。 ビニルスズのエナンチオ選択的エポキシ化反応により光学活性スズエポキシドを調製した。続くBuLi処理によりオキシラニルアニオンを発生させ、アルデヒドヘの付加反応を検討した。この際、大過剰のTMEDAを添加することにより高収率で生成物が得られることがわかった。以上のように立体選択的な環化部分構造の導入方法を確立した。続いて、exo-モードでの環化反応を行った。ルイス酸としてEu(fod)_3を用いることにより高位置選択的かつ高立体選択的に環化反応は進行し、対応する7員環エーテルの伸長が起こることを見出した。 以上の知見を基に、代表的ポリエーテル化合物であるHemibrevetoxin BのAB環部の合成研究を行った。Sharpless不斉エポキシ化反応、Ti(OiPr)_4を用いる位置選択的エポキシドの開裂反応を含む数段階により調製した光学活性アルデヒドに対し、上記の反応を2回繰り返す事により、各々の環化部分構造となるヒドロキシエポキシドの導入、続くルイス酸を用いる環化反応により上記部分構造の炭素骨格を立体選択的に構築することに成功した。
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