1999 Fiscal Year Annual Research Report
不斉重合による光学活性N-置換マレイミドポリマーの合成とその応用
Project/Area Number |
10750638
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鬼村 謙二郎 山口大学, 工学部, 助手 (90284265)
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Keywords | 不斉重合 / 鏡像異性体選択重合 / 光学活性ポリマー / N-置換マレイミド / 有機金属錯体 / ジエチル亜鉛 / 不斉配位子 / ビスオキサゾリン |
Research Abstract |
不斉配位子-有機金属錯体をアニオン開始剤としてN-置換マレイミド(RMI)の不斉重合を行い、光学活性ポリマーの合成とその応用について検討した。平成11年度の研究過程でメチレン架橋型ビスオキサゾリンが、光学活性ポリマレイミドを得るのに極めて有効な不斉配位子で有ることを明らかにした。本年度はメチレン架橋部に種々の置換基を有する8種類の光学活性ビスオキサゾリン(R_1,R_2-Bnbox)(R_1R_2;Methyl,Ethyl,iso-Butyl,Benzyl,Allyl,Benzyloxybenzyl)を新規に合成し、これを用いてRMIの不斉アニオン重合を行い、得られたRMIポリマーの旋光性に及ぼす効果を検討した。得られたRMIポリマーは全て光学活性であり、開始剤としてMeAllyl-Bnbox/ジエチル亜鉛(Et_2Zn)を用いたN-シクロヘキシルマレイミド(CHMI)の重合では、得られたポリマーはこれまでで最も高い比旋光度([α]^<25>_<435>)+222.6°を示した。一方、Et-Bnbox/Et_2Znを用いたラセミのN-α-メチルベンジルマレイミド((RS)-MBZMI)の不斉重合では、未反応モノマーはほぼラセミ体であったが、アキラルなアミンとしてジイソプロピルアミン(DIA)やN,N-ジメチルアニリン(DMA)を系中に添加した場合、未反応モノマーのS体が光学純度9.7及び8.7%eeで残存していたことから、鏡像異性体選択重合が起こっていることが明らかとなった。また、ビスオキサゾリンとジエチル亜鉛のモル比はR_1R_2-Bnbox/Et_2Zn=1/2の場合が得られるポリマーの比旋光度が大きくなることを見い出した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tsutomu Oishi: "Asymmetric Polymerization of N-Substituted Maleimides with Chiral Oxazolidine-Organolithium"Journal of Polymer Science Part A,Polymer Chemistry. 37・4. 473-482 (1999)
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[Publications] Tsutomu Oishi: "First Determination of Absolute Stereochemistry of N-Naphthylmaleimide Polymer"Chemistry Letters. ・7. 673-674 (1999)
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[Publications] Tsutomu Oishi: "Asymmetric Anionic Polymerization of Maleimides Bearing Bulky Substituents"Journal of Polymer Science,Part A,Polymer Chemistry. 38・2. 310-320 (2000)