1998 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金繊維を埋め込んだ知的複合材構造の受動的・能動的曲げ変形抑制
Project/Area Number |
10750655
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 正喜 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80292233)
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Keywords | 知的複合材構造 / 形状記憶合金繊維 / 複合材積層板 / 曲げ変形抑制 / 形状記憶効果 / 積層構成テーラリング / 積層パラメータ |
Research Abstract |
本研究は,形状記憶合金繊維を埋め込んだ知的複合材積層板について,積層構成テーラリングによる構造最適化と形状記憶合金アクチュエータの最適制御の融合を図り,高性能知的複合材構造の実現を目指すものである.具体的には,外力として作用する熱荷重下において,曲げ変形の最大たわみを最小化する積層構成を数理計画法により求め,構造の最適化による受動的な曲げ変形抑制を行う.さらに,受動的抑制に関して最適構造を有する知的複合材構造に対して,形状記憶合金アクチュエータの最適制御を行い,能動的な曲げ変形抑制を行う. 平成10年度は,形状記憶合金繊維を埋め込んだ知的複合材積層板を対象に,積層パラメータを用いた積層構成テーラリング技術確立のための基礎的検討を行った.ここでは,形状記憶合金繊維における弾性係数の変化および回復応力の発生を考慮してモデリングを行った振動解析を通して,以下のような成果を得ている. 1. 形状記憶合金繊維の弾性係数変化を考慮した面外剛性を4個の面外積層パラメータで表現するとともに,回復応力に起因する面内力を2個の面内積層パラメータで表現した.これにより,形状記憶合金繊維を埋め込んだ複合材積層板の積層構成設計においては,6個の積層パラメータが設計変数となり得ることを明らかにした. 2. 面外と面内の積層パラメータ間の関係を明らかにするために,各層の繊維配向角および層厚を設計変数とした最適化問題を設定し,面外積層パラメータを指定したときの面内積層パラメータの許容領域についての予備的な情報を得た. 今後は,上記の成果を活かし,各層の繊維配向角および層厚を用いることによって得られる積層パラメータの許容領域情報を最適化問題に融合させ,6個の積層パラメータを用いた積層構成テーラリング技術を確立し,受動的曲げ変形抑制に適用する.また,研究計画に従い能動的曲げ変形抑制についても検討を行う予定である.
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