1998 Fiscal Year Annual Research Report
複数気泡を含む多相流の直接数値シミュレーションによる研究
Project/Area Number |
10750660
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金井 亮浩 東京大学, 工学系研究科, 助手 (00272378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 秀明 東京大学, 工学系研究科, 教授 (70111474)
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Keywords | 気泡流 / 直接数値シミュレーション / 密度関数法 / 乱流境界層 |
Research Abstract |
本研究では密度関数法を採用し、複雑な変形にも対応可能なコードを開発した。また、周期境界を用いた計算領域において、時間的に定常な状態を作り出すため、それぞれの気泡をフラッキングし、お互いに近づいてもそれぞれの界面を維持するような方法を開発した。この手法を用い、チャンネル内乱流境界層中に複数の気泡が存在する計算を行い、マイクロバブルによる摩擦抵抗低減のメカニズム解明を行った。計算領域は最小限の乱流構造が含まれるように設定した。気泡個数は108個である。上部の壁では摩擦抵抗の減少が見られたが、下部の壁では減少しなかった。上部壁近傍ではボイド率のピークが存在し、流れ方向速度の変動分は壁近傍で減少している。下部壁近傍ではボイド率のピークがなかった。これは壁近傍にできるだけ多くの気泡を配置させることにより、摩擦抵抗低減率を増加させることができるという実験結果とも合致している。また、ボイド率が十分でない場合には逆に乱流エネルギーが増加することが分かる。壁速度で無次元化した速度プロファイルに関しては、摩擦抵抗が減少している壁側ではバッファー領域の部分が外側へ伸びていることが分かった。渦構造に着目すると、摩擦抵抗低減が起きる場合には、壁近傍のせん断渦のシート状の構造が気泡により形成されないことが分かった。従って、せん断渦の壁からの剥離から生じると考えられる縦渦(バーステイング)の発生が抑制され、剥離下に見られる速度の遅い部分ストリークも見られなくなっている。このため乱流エネルギーが小さくなり、摩擦抵抗低減につながっているものと考えられる。
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