1998 Fiscal Year Annual Research Report
多重アコースティック・エミッションによる地下き裂進展速度の3次元評価法の開発
Project/Area Number |
10750667
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
永野 宏治 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (90212109)
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Keywords | 多重AE / 地下き裂 / 地熱エネルギー |
Research Abstract |
1 多重AEの性質の検討 多重AEの3次元粒子運動の特徴は,P波区間にある2つのP波による振動である。つまり,まず,第1のP波が入力し直線状の3次元粒子運動が観測される。そして,地下での散乱やセンサの音響特性に起因する3次元粒子運動の乱れがあり,その後第2のP波が入力すると再び直線状の3次元粒子運動が観測される。 2 AEの3次元粒子運動解析による多重AEの検出条件 2-(1) SH軸の波形解析 地下の速度構造が水平の場合,SV軸にはP波の変換波が混入するが,SH軸にはP波の変換波は混入しない。したがって,P-SH平面上の粒子運動には,他の平面に比べP波の振動が乱されずにある可能性が高い。そこで,P-SH平面上の粒子運動を解析して第2のP波を検出することにした。 2-(2) P-SH平面上の振動方向 多重AEでは,第1のAEのP波入力後に粒子運動がランダムな方向になった後,第2のAEにより第1のP波の振動方向と同じ方向に振動する。この振動方向の特徴を多重AEの条件とした。 2-(3) 直線状の粒子運動 多重AEでは,第1のP波が入力した時直線状の粒子運動を示し,その後ランダムな振動になる。そして,第2のP波が入力した時再び粒子運動は直線状になる。この直線状の粒子運動を多重AEの条件とした。 3 多重AEの検出 葛根田地熱地域で観測した約70個のAE信号を解析したところ,多重AEの条件を満たすAE信号を3つ検出した。 設備備品に計上した3次元可視化システムとフィールド用波形表示システムは,多重AEの検出のための信号処理に使った。
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