1998 Fiscal Year Annual Research Report
塩分ストレス条件下におけるイネ根の形態変化に関する研究
Project/Area Number |
10760012
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Research Institution | Kurashiki University of Science and the Arts |
Principal Investigator |
内藤 整 倉敷芸術科学大学, 教養学部, 講師 (40252902)
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Keywords | 塩分ストレス / 耐塩性 / 根 / 形態 |
Research Abstract |
耐塩性2品種Kala Rata1-24(KRl),IR4595-4-1-13(IR4595)、感受性2品種IR28,日本晴の4品種を供試し、0,50,100,150mM NaCl濃度処理を16日間行い、以下の結果を得た。 l. 根の分化に及ぼす影響 感受性2品種ではNaCl処理濃度の増加に伴って1次根数は減少し、根の分化が抑制された。100mMNaCl処理区における処理終了時の1次根数はIR28、日本晴でそれぞれ59%、71%(0mM処理区に対する相対値)であった。150mM処理区では、両品種とも処理後8日目に枯死した。一方、耐塩性品種の100mMNaCl処理区における1次根数はKR1、IR4595それぞれ88%、119%であり、根の分化に与える影響は小さかった。150mMNaCl処理区においては、KR1においては38%と根の分化は抑制されたが、IR4595では96%と高く維持されていた。 2. 根の伸長に及ぼす影響 葉齢3及び5の時点で出根した冠根の長さは、いずれの品種においてもNaCl処理区と対照区で有意な差は認められなかった。処理期間中に出現する根の伸長に及ぼす影響については今後検討する必要がある。 3. 根の形態に及ぼす影響 150mMNaCl処理により耐塩性2品種では、処理後に発現した冠根の1次分枝根が太くなる傾向が認められた。根系全体としての変化を明らかにするため、現在ルートスキャナーを用いて、根長の測定を行っている。また、こうした形態変化が機能の変化と関連があるのか検討するため、内部組織構造の変化を特にカスパリー帯の発達程度に着目し、調査している。
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