1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経作用性殺虫剤のイオンチャンネルレベルでの作用機構の電気生理学的解明
Project/Area Number |
10760027
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
永田 啓一 理化学研究所, 記憶学習機構研究チーム, 研究員 (40282321)
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Keywords | クロルニコチニル系 / カルタップ / ネライストキシン / パッチクランプ法 / チャネルブロック |
Research Abstract |
(1)クロロニコチニル系殺虫剤は神経性ニコチン性アセチルコリンレセプターに対し、イオンチャネルレベルでのサブコンダクタンスを発生する。そのメカニズムの仮説が考えられており、ひとつは薬剤がアゴニスト認識部位に結合し、アロステリックにチャネルのカイネティクスを変化させ、サブコンダクタンスを発生させる(partial agonist)。もうひとつは薬剤がアゴニスト認識部位とは別の、おそらくチャネル孔かまたはその近辺に結合し、チャネルを抑制する(partial block)。この2つの仮説についてパッチクランプ法を用い、薬剤の作用の電位依存性、濃度依存性、コンダクタンス間の転移確率などのシングルチャネルパラメータを検討することで検証し、クロロニコチニル系殺虫剤の作用機構をイオンチャネルレベルで明らかにした。 (2)カルタップは天然毒ネライストキシンを構造改変した合成殺虫剤である。その作用機構は神経系のコリン性システムに作用点を持つと考えられてきたが、詳細な研究は不足している。ホールセルおよびシングルチャネル法によって神経性ニコチン性アセチルコリンレセプターに対する作用を検討した結果、カルタップはそれ自身がレセプターに対してオープンチャネルブロックを起こすことを明らかにした。
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[Publications] NAGATA K.et al.: "Voltage-dependent modulation of the neuronal nicotinic acetylcholine receptor channel by cartap"Pesticide Science. 55. 452-456 (1999)
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[Publications] NAGATA K.et al.: "Modulation of the nicotinic acetylcholine receptor by nitenpyram in clonal rat phaeochromocytoma(PC12)cells"Journal of Pesticide Science. 24. 143-148 (1999)
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[Publications] NARAHASHI T.et al.: "Neuronal nicotinic acetylcholine receptors : a new target site of ethanol"Neurochemistry International. 35. 131-141 (1999)
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[Publications] KANEMOTO E.et al.: "Interaction of anisatin with rat brain GABAA receptors : Allosteric modulation by competitive antagonists"Biochemical Pharmacology. 58. 617-621 (1999)