1999 Fiscal Year Annual Research Report
重窒素法及び微生物活性測定によるマメ科緑肥利用水田の持続的窒素サイクルの研究
Project/Area Number |
10760039
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
上野 秀人 愛媛大学, 農学部, 助教授 (90301324)
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Keywords | 緑肥 / 水田土壌 / 土壌酵素 / 窒素動態 / デアミナーゼ / 無機化 / 15N |
Research Abstract |
重窒素ラベルをしたマメ科緑肥(ヘアリーベッチ,シロクローバー)を作成し,ワグネルポットに詰めた水田土壌の表層および全層に施用し,緑肥由来窒素の動態および植物体の生育との関係について検討を行った。初期の草丈は,化学肥料区≫ベッチ全層,クローバー全層,クローバー表層≫ベッチ表層の傾向が見られたが,収穫時にはベッチ全層>クローバー全層>ベッチ表層>クローバー表層,化学肥料区と変化が見られた。圃場試験と同様にヘアリーベッチは生育後期までに窒素発現を持続する能力が高いことが認められた。葉色値についてもほぼ同様な傾向が見られたが,茎数はベッチ表層区の場合,初期の窒素発現量が低いため、全期間にわたり低く推移した。緑肥由来窒素の利用率はヘアリーベッチが21%,シロクローバーが25%程度であり,化学肥料区の元肥窒素利用率は24%であった。表層および全層施用における利用率の違いはほとんど見られなかった。土壌中の窒素無機化過程のメカニズム解明のために,土壌バイオマスを構成する窒素化合物であるN-アセチルグルコサミンを基質として用い,デアミナーゼ活性の測定方法の開発を行った。至適pHは7.5-8.5と比較的広く,アミダーゼ活性に比べて活性は低いが,37℃で24時間保温することにより活性測定が可能であることが判明した。水田土壌が入ったビーカーにヘアリーベッチ,シロクローバー,レンゲを部位別に施用し,湛水下でインキュベーション試験を行ったところ,葉部を施用した場合,有意に本酵素活性の上昇が認められた。葉部は炭素率が低いため,土壌微生物によって容易に分解され,窒素無機化関連酵素が誘導的に生産されたものと考えられた。
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[Publications] Hideo Ueno: "Measurement of N-acetylglucosamine deaminase activity in soil"Soil Science Society of America,1999 Annual Meeting Abstract. 91. 225 (1999)
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[Publications] 上野秀人: "土壌アミダーゼ活性測定法の検討"日本土壌肥料学会講演要旨集. 45. 45 (1999)
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[Publications] 鈴木孝康: "マメ科草生マルチ不耕起水田における養分動態の解明(1):土壌理化学性と生育特性"日本土壌肥料学会講演要旨集. 46. (2000)
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[Publications] 上野秀人: "マメ科草生マルチ不耕起水田における養分動態の解明(2):緑肥由来窒素の動態解明"日本土壌肥料学会講演要旨集. 46. (2000)
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[Publications] 上野秀人: "こんなことがいま:アメリカ土壌学会に参加して"土と微生物. 54. (2000)