1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10760058
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
炭谷 順一 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10264813)
|
Keywords | amylase / starch-binding domain / Bacillus |
Research Abstract |
Bacillus sp.No.195株の生産する動物型アミラーゼ(BAA)はC末端領域に90アミノ酸残基からなる繰り返し配列が存在し,これが新規なstarch-bindingdomain(SBD)として機能することがわかっている.本研究では,このSBDの構造機能相関について解明することを目標として,今回はSBD単体での発現系確立,発現産物の精製,発現産物の性質ついて検討を行った. PCRにて増幅したSBDをコードする領域を発現ベクターpET16bのプロモーター下流に連結し,SBDがHis-tagとの融合蛋白として発現するように発現プラスミドを構築した.これを大腸菌JM109(DE3)株に導入することで菌体内にインクルージョンボディとして大量に発現することがわかった.そこで.細胞抽出液からインクルージョンボディを遠心分離によって回収し,8M尿素によって可溶化後,Ni-chelating Sepharoseにアフィニティ吸着し,尿素を逆グラジエントで除くことによってリフォールディングを行うことに成功した.トリプシン消化によってHis-tagを切断した後,SBDのデンプン吸着能を利用してSephacryl.S-200に吸着させ,マルトースを用いて溶出させることで電気泳動的に均一な標品を得た.以上のような操作で培養液2Lから30mgの精製標品を得ることが出来た. 上記のように調製したSBDを用いて生デンプンに対する結合定数K_aを算出した結果,K_a=3.8×10^6(M^<-1>),最大結合量B_<max>=2.3×10^<-7>(mol/mg starch)の値を得た. 今後は本SBDおよびそのホモログに保存されたTrpおよびTyr残基に部位特異的変異を導入することでデンプン結合に関与するアミノ酸残基の同定を行う予定である.
|