1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経組織の形態形成に関与する糖蛋白質糖鎖認識分子の探索と解析
Project/Area Number |
10760065
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
吉田 雪子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍免疫研究部門, 研究員 (90271543)
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Keywords | レクチン / N-アセチルクールコサミン / オボムコイド / 神経組織 |
Research Abstract |
脳・神経組織の形態形成に必須であると推定される非還元末端にN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を有する糖鎖の生物学的意義を解明するために、その糖鎖を認識する蛋白質の存在を明らかにしその分子の同定を行うことを目的として研究を行った. マウス脳の膜画分の粗抽出液より,非還元末端にGlcNAcを持つ5本鎖のN-結合型糖鎖を有する糖蛋白質ニワトリオボムコイド(OVM)を糖鎖リガンドとして固定化した担体に結合する蛋白質の有無をSDS-PAGE後,銀染色により検出することで調べた.その結果,OVMに特異的に結合する約135kDaの蛋白質(p135)を見いだした.p135は糖鎖の持たないOVMには結合しないこと,OVM-セファロースへのp135の結合は糖鎖のあるOVMで阻害されるが糖鎖のないOVMでは阻害されないこと,キトオリゴ糖の混合物で結合阻害がみられることなどからこの蛋白質がOVMの糖鎖部分を認識しているものと考えられた.そこで,p135をマウス脳より大量精製し,リジルエンドペプチダーゼ消化物をHPLC精製し,アミノ酸配列を調べた結果,p135はピルビン酸カルボキシラーゼ(mPC)であることが明らかとなった.マウス脳RNAよりmPCのcDNAをクローニングし,これにTagを付加した遺伝子をCOS-7で発現させ,この組換えmPCがOVM-セファロースへの結合が確認された.さらに,mPCに欠失を導入し糖鎖結合部位の特定を行った.
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