1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10760069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石神 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70292787)
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Keywords | radicicol / 細胞周期阻害剤 / 結合蛋白質 / 光学活性体合成 |
Research Abstract |
細胞周期阻害剤Radicicolに関して効率的な全合成ルートの開発と、結合蛋白質精製のためのプローブ合成を目的として研究を行った。 全合成に関しては、光学活性原料として安価な3-ヒドロキシブタン酸エチルを用いた。これより容易に誘導できたWittig試薬とリンゴ酸より誘導したアルデヒドとをSchlosserの条件下Wittig反応を行うことにより、マクロ環部分となるtrans-体の鎖状中間体を得ることに成功した。この化合物の末端をアルデヒドへ酸化後、これまでに合成が完了している芳香環部分を持つホスホネートとHomer反応させることにより、エノールラクトン化が起きてしまったが、全合成に必要な炭素数を調えた。以前まで検討してきた経路に比べ、エポキシドの導入を遅らせたため収率は向上した。ここで水酸基の立体を利用してエポキシ化を行い優先的に求める立体のエポキシドの導入を行った。エノールラクトン部分を開環させた後、山口法によるマクロラクトン化を行い、目的とする骨格合成まで成功した。今後は塩素化と脱保護などの検討を行い、目的物へ導く予定である。 プローブ合成に関しては、当初二重結合部分を還元した状態で検討を行う予定であったが、二重結合部分が活性に関与することが判明したため、ケトン部分にオキシム結合によりスペーサーを結合させビオチン化を行った。このプローブの他は数種の化合物を合成し、活性試験などを行ったところ、オキシム型と17位の水酸基をビオチン化した2種のプローブで結合蛋白質の精製に成功した。現在この蛋白質と活性の関与について研究中である。
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