1998 Fiscal Year Annual Research Report
ジベレリン生産糸状菌由来のカウレン合成酵素の構造と環化反応機構に関する研究
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10760074
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川出 洋 理化学研究所, ホルモン機能研究チーム, フロンティア研究員 (20291916)
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Keywords | 生合成 / cyclase / ジテルペン / fungus / gibberellin / Phaeosphaeria sp. / site-directed muta genesis |
Research Abstract |
(1) 大腸菌による組換えカビcnt-カウレン合成酵素(CPS/KS)の過剰生産を目的として,幾つかの代表的なプラスミドを用いて生産条件を検討した.その結果,pGEXベクターを用いたグルタチオンSトランスフェラーゼ融合タンパク質としたものは,大過剰ではないが目的タンパク質を安定に供給することができた.これを効率的な生産方法として最適化するとともに,1段階のアフイニテイーク口マトグラフィーにより目的タンパク質を精製するシステムを確立した. (2) FOS./KSの活性中心と考えられるAspに富む3ヶ所のモチーフ(N末端側:132Asp,320AspおよびC末端側:656Asp)について部位特異的変異を行なった.Asp残基をAla残基およびAsn残基等に置換させた変異タンパク質を計5種類調製し,大腸菌で発現させた. (3) Polymerase Chain Rcactionによって,FCPS/KScDNAのデリーションクローンを作成し,これらを大腸菌で発現させて縮小変異タンパク質を調製した. (4) 2および3で得られた変異体の酵素活性は,市販の[^3H]標識ゲラニルゲラニルニリン酸から[^3H]cnt-カウレンの生産量を測定することにより求めた.変異によりFCPS/KSの多機能酵素活性が欠損した時は,高等植物からクローニングしたコパリルニリン酸合成酵素(CPS)およびcnt-カウレン合成酵素(KS)の組換えタンパク質を加えてcnt-カウレンの生成を相補させた.予備的な実験結果から,N末端側の約63kDaのペプチドには最初の環化反応を触媒するCPS活性ドメインが,C末端側の約66kDaのベプチドには2番目の環化反応を触媒するKS活性ドメインがそれぞれ独立して存在していることが判明した.この結果は,FCPS/Kのアミノ酸位特異的変異タンパク質の酵素活性の有無と一致していた.
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Research Products
(1 results)