1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10760077
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
人見 賢徳 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (80282383)
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Keywords | 肥満 / ディファレンシャルディスプレイ法 / α1プロテアーゼインヒビター |
Research Abstract |
50%ラード食を約1ヶ月間自由摂取法で与え、肥満マウスを作成した。対照詳には5%ラード食を与えた。子宮周辺の脂肪組織よりRNAを抽出し、ディファレンシャルディスプレイ法を用いて両群間で発現量に変化が認められるmRNAの検索を行った。228通りのプライマーの組合せにおいて40の陽性クローンが得られ、ノーザンブロット解析を用いてmRNA発現量変化の再現性を検討したところ、1クローンについてのみ50%ラード食群でmRNA量の上昇が確認された。このcDNAはα1プロテアーゼインヒビターの3側553bpをコードしており、データベースとの比較の結果、新規cDNAであることが明らかとなった。全長cDNAを来年度クローニングする予定である。 α1プロテアーゼインヒビターは肝臓特異的な遺伝子発現をすることが広く知られている。α1プロテアーゼインヒビターmRNAの組織特異的発現について検討したところ、肝臓と脂肪組織において発現が認められ、脂肪組織におけるmRNA発現量は肝臓の5%に相当するものであった。本研究の結果からα1プロテアーゼインヒビターは肝臓特異的な遺伝子発現をしていないことが明らかとなった。 ディファレンシャルディスプレイ法では8〜10merという比較的短いプライマーを用いるため、再増幅により得られるcDNAは複数バンドから成ることが多く、以後の解析を困離にしている。そこでプライマー20mer前後とし、PCR反応における厳密性を高めることにより再増幅時に得られるcDNAが単一バンドとなるように改善した。 このディファレンシャルディスプレイ法の改良法を用いて体脂肪蓄積時に発現量が変化する遺伝子をさらに検索する予定である。
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