1998 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズタンパク質グリシニンのX線結晶構造解析と血清コレステロール値低下能の強化
Project/Area Number |
10760080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安達 基泰 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (60293958)
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Keywords | ダイズタンパク質 / グリシニン / X線結晶構造解析 / 品質変換 / コレステロール / 微生物発現 |
Research Abstract |
本研究の目的は、グリシニンA3B4のプロ型及び成熟型の立体構造をX線結晶構造解析によって明らかにし、血清コレステロール値低下能を強化したグリシニンを設計することである。今年度は、プログリシニンA3B4の大量発現系の構築と結晶化、プロ型及び成熟型グリシニンA3B4の構造解析を試みた。 1. プログリシニンA3B4の大量発現系の構築と結晶化 グリシニンA3B4のcDNAを発現ベクターpET21dに挿入し、プログリシニンA3B4の大腸菌での大量発現系の構築を試みた。その結果、全タンパク質の5%の高レベルで、しかも可溶性の状態で発現させることに成功した。大量培養後、2種のカラムクロマトグラフィーによって単一に精製し、しょ糖密度勾配遠心分離とゲルろ過から、発現タンパクが3量体を形成していることを確認した。蒸気拡散法で結晶化条件をスクリーニングした結果、X線結晶構造解析可能な単結晶を得ることができた。 2. プロ型及び成熟型グリシニンA3B4サブユニットのX線結晶構造解析 得られたプログリシニンA3B4の単結晶の回折データをマルチワイヤーディテクターにより測定したところ、2.9Åの分解能で収集することができた。得られた回折データ及びAlaBlbの座標データと重原子同型置換法によって得られる位相を使い、モデリングのための電子密度マップを作製した。一方成熟型グリシニンに関しては、種子貯蔵タンパク質で最高の分解能2.1Åの回折データを収集することができた。プロ型の結晶の分解能よりも優れていることからモデリングがより容易であると考えられ、AlaBlbの座標データを用い分子置換法により位相を求め、モデルの構築を行った。プログラムX-PLORを用いて精密化したところ、R値は19.4%、tree-R値は24.8%となり、成熟型グリシニンA3B4の構造解析を完成させることができた。
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