1999 Fiscal Year Annual Research Report
土のせん断に伴う根系の変形過程が土質強度に与える影響とその土壌水分依存性について
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10760091
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
執印 康裕 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60221305)
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Keywords | せん断試験 / 土壌水分 / 根系 / せん断変形 / 表層崩壊 / 土質強度 / せん断層 / ひずみ |
Research Abstract |
本研究の目的は、斜面表層土における根系の土質強度補強効果を考える上で必要な、根系の挿入が土のせん断変形に与える影響を、土壌水分変化に応じて把握することである。本目的の達成のため、 1.土壌水分の制御が可能なせん断試験機を用いた、土壌水分状態変化がせん断変形にあたえる影響を把握するための室内実験 2.土壌水分水分変化に対応して、根系の挿入がせん断変形に与える影響を把握するための室内実験 上記2点を中心に研究を進めた。 試料土としては実験結果の再現性等を考慮にいれ豊浦標準砂を使用し、また根系は模擬根系としての直径約2.7mm長さ10cmの竹串を使用した。なおせん断方式は、本試験が表層崩壊を対象としていることを考慮して、急速排水方式による一面せん断を採用した。せん断面に与えたサクション範囲は30から50cmH_2Oである。 まず土壌水分変化がせん断変形に与える影響を把握するために、内部の変形状態が観察可能な透明なアクリル板によってせん断箱を作成し、これに内部変形のマーカーとしてのガラスビーズをせん断面に対して鉛直に横切るように挿入して、各水分状態におけるせん断変形の把握を行った。その結果、いずれのサクションにおいてもせん断面を中心として幅2cm程度のせん断変形を示すせん断層が形成されることが確認された。ただし、現段階ではサクションとせん断変形層との間に有意な相関は検出されなかった。また竹串を挿入したことによってせん断変形層の分布状態には有意な変化は認められないが、ヒズミの進行状況は砂のみの場合と比較して、水平変位が2cmの範囲までは遅れて出現することが認められた。また竹串付近の砂は側方流動をしている傾向が認められた。
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