1998 Fiscal Year Annual Research Report
光環境を考慮に入れた持続可能な森林運営に関する研究
Project/Area Number |
10760093
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
龍原 哲 新潟大学, 農学部, 助教授 (40227103)
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Keywords | 複層林 / 針広混交林 / 樹冠開空度 / 成長 |
Research Abstract |
●針広混交林の林分構造と成長 成林後に長期間粗放な管理を行ってきたことによって針広混交林化したスギ人工林の林分構造と成長がスギの地位によってどのように変化するかについて検討した。対象林分は72年生のスギ人工林で、広葉樹の萌芽・侵入によって針広混交林化した。この林分の林分構造を調査するとともに、侵入した広葉樹を15本選択して樹幹解析することによってその成長経過を調べた。 広葉樹は最後に施業を行った1956年以降に侵入してきたものか,それ以前に存在していたが伐採の対象となる大きさに達していなかったものであった。スギの地位が比較的悪い区画では約30年前に広葉樹の上層木がスギの下層木に追いつき,その後広葉樹とスギの競合状態となった。スギの地位が比較的よい区画では約20年前に広葉樹の上層木がスギの下層木に追いついが、スギの優位は継続した。 ●全天空写真による樹冠開空度の推定 色調による誤差と手作業による煩雑さを解決するため、カラーの全天空写真をコンピュータに取り込み、画像分類技術を使って樹冠開空度を推定した。そして撮影地点の間隔、画像取り込み時の解像度、画像切りだし時の鉛直上方からの角度(天頂角)の条件が樹冠開空度の推定値に与える影響について検討した。 撮影地点間隔5mと10mにおける推定値の間には統計的に有意な差がみられなかったが、撮影地点間隔5mのときと比べて10mの時に誤差率が大きくなった。解像度の違いによる樹冠開空度の推定では、解像度が大きくなると誤差率が減少する傾向がみられた。天頂角10゚〜90゚における推定値の間には統計的に有意な差がみられなかったが、天頂角が10゚〜30゚の時に推定値の誤差率が大きな値をとった。
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Research Products
(1 results)