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1998 Fiscal Year Annual Research Report

両親媒性リグノセルロース誘導体と生体高分子との相互作用の解明

Research Project

Project/Area Number 10760102
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

浦木 康光  北海道大学, 農学部, 助教授 (90193961)

Keywords両親媒性物質 / リグノセルロース / ヒドロキシプロピル化 / 疎水性物質可溶化能 / 蛋白質分解酵素 / 酵素安定化剤
Research Abstract

リグノセルロースとは、草本類や木本類などリグニンを有する木質バイオマスの総称でり、この研究では、針・広葉樹のチップを常圧酢酸パルプ化法により、リグニンを部分的に取り除き解繊したパルプをリグノセルロース原料とした。
このリグノセルロースをヒドロキシプロピル化(HP)することで、水にも有機溶媒にも可溶な両親媒性物質に変換した。本研究では、両親媒性リグノセルロース誘導体と低分子及び生体高分子化合物との相互作用を解明することを目的としている。本年度は、低分子化合物として、疎水性度の異なる蛍光物質の吸着と、蛋白質分解酵素であるパパインという生体高分子との結合性について検討した。
HP誘導体は、水に可溶な蛍光物質(1-anilinonaphtalene-8-sulfonate)と複合体を形成して、その結合量はpHが低いほど高いことが示された。また、水に難溶性の蛍光物質(N-phenyl-1-naphtylamine)にHP誘導体の水溶液を加えると、界面活性剤であるsodium dodecyl sulfateより高い可溶化能を示し、疎水性低分子化合物と強く相互作用することが分かった。
パパインとHP誘導体を混合すると、混合当初はHP誘導体がパパインの阻害剤として働いた。Lineweaver-Burk plotにより阻害定数を求めた結果、μMオーダーの阻害を示し、かなり強固にHP誘導体とパパインが結合することが示唆された。また、パパインのみでは、自食作用により活性が24時間で消失したのに対し、HP誘導体が共存した系では24時間後から逆に活性の復活が観察された。この活性は144時間後でも維持されており、活性の最大は混合直後の58%に達した。このことより、HP誘導体は自己分解を起こす蛋白質分解酵素の安定化剤として利用できることが示されたが、混合初期の阻害作用を抑制する研究が必要であることが分かった。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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