1998 Fiscal Year Annual Research Report
木材縦切削における切削エネルギー及び切り屑変形機構の解明
Project/Area Number |
10760104
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
大矢 智 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 講師 (70281863)
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Keywords | 縦切削 / 先割れ / 破壊力学 / 切削エネルギー / 分離エネルギー / 弾性ひずみエネルギー |
Research Abstract |
今年度は、被削材にスギ、スプルース、ベイスギを用いて、主に切削エネルギーの大きさについて検討した。結果は以下の通りである。 1. 切削角が25〜30°の範囲では、切削抵抗はほぼ等しかった。これは、全切削エネルギーがその範囲内では等しいことを意味する。 2. 切削エネルギーを摩擦や変形に関与するものに分離した。その結果、切削角が大きくなると、塑性変形に要するエネルギーが大きくなり、摩擦に要するエネルギーは小さくなるなど、各成分は全切削エネルギーが等しい範囲でも変動することがわかった。 3. 樹種による相違を検討したところ、スギとスプルースはほぼ同じ傾向を示したが、ベイスギは他の2樹種に比べ、全切削エネルギー中の摩擦エネルギーの割合が大きかった。これは、ベイスギの強度が小さく、刃物によって大きく変形させられるためと考えられた。 4. 安定的に切削が進行している状態では、全切削エネルギーの変動は小さかった。しかし、各切削エネルギー成分は変動していた。すなわち、切削長とともに、弾性ひずみエネルギーは直線的に増加し、摩擦エネルギーは減少した。なお、塑性エネルギーの変動は小さかった。
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