1998 Fiscal Year Annual Research Report
スルメイカ類幼生の最適生残のための生物・物理環境の検出
Project/Area Number |
10760111
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 潤 北海道大学, 水産学部, 助手 (10292004)
|
Keywords | スルメイカ幼生 / 初期餌料 / 最適生残 |
Research Abstract |
本研究では,今年度に以下の調査を実施した, 1, 10月上旬の隠岐諸島周辺海域においてスルメイカ幼生の分布調査。 2, 11月中旬の隠岐諸島周辺海域におけるスルメイカ幼生の分布特性調査。 3, 2月上旬のハワイ諸島北方海域におけるアカイカ類幼生分布調査。 1は北大練習船北星丸を用いて行った。この調査航海では天候に恵まれず数回の採集となり,計画通りにスルメイカ幼生を採集することができなかった。2では鳥取県水産試験船第一烏取丸を用い,ボンゴネットとモックネスネットによる幼生の収集を行う予定であったが,悪天候のためモツクネスネットの2回のみの採集となった。しかしながら,この2回の曳網結果から,ふ化間もない幼生は密度躍層の上層に分布し,成長するに従って深い深度に分布するという傾向がみられ,未だに発見されていないスルメイカの産出卵塊が密度躍層の上層に分布することを示唆するものと考えられた。3の調査では,ハワイ諸島周辺におけるアカイカ・トビイカの幼生を採集する予定であったが,数個体のみしか採集されず,今後は,これら幼生を用いて胃内容物の検出を試みる計画である。次年度は,主に2の調査においてスルメイカふ化幼生の分布の時空間的な分布特性と,物理(流れ場,鉛直構造,海洋の微細構造・生物環境)との対応を精査し,スルメイカの再生産機構の解明と,その機構に関る海洋環境との対応を明らかにすることにより,スルメイカ幼生の最適生残のための海洋環境の検出を行う計画である。
|