1998 Fiscal Year Annual Research Report
動物プランクトンの音響反射率の推定に必要な生体密度と生体内音速の測定
Project/Area Number |
10760112
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
向井 徹 北海道大学, 水産学部, 助教授 (60209971)
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Keywords | 動物プランクトン / 音響反射 / 生体密度 / 生体内音速 / ターゲットストレングス / タイムオブフライト法 / 計量魚群探知機 / ローシー |
Research Abstract |
本年度は,動物プランクトンの短期飼育法,生体密度測定法,生体内音速測定法の確立に主眼をおいた. 1. 動物プランクトンの短期飼育:プランクトンネットのエンドにボトルを取り付け,その海水と一緒にプランクトンを捕獲した.そしてそれを蓋つきガラス瓶に移し,海水冷却装置でプランクトンの生息水温に保持された水槽にビンごと入れ,生息環境を保持したまま短期間飼育することができた. 2. プランクトンの生体密度の測定:当初,密度の測定には密度勾配ボトル法を用いる予定であったが,ノルウェー海洋研究所での研究者とのディスカッションにおいて,この方法の問題点が明らかになった.そこで,塩化ナトリウムあるいはグリセロールを用いて密度の異なる溶液を約10本のビンに作り,プランクトンを密度の低いビンから順に入れ,明らかに沈んだ溶液と明らかに浮いた溶液の平均の密度をもって,そのプランクトンの密度とする方法を取りいれた.試験的に行ったツノナシオキアミの生体密度測定において,体長の増加とともにその密度が減少するという結果が得られた.ホルマリン固定した同種についても測定を行ったが,体長が増加すると密度が増加し,また同じ体長でも生体と保存個体とでは密度が大きく異なっていた.来年度は,季節的な生体密度の変化を測定する. 3. プランクトンの音速測定:タイムオブフライト法で測定すべく,周波数400Hzおよび1MHzのトランスデューサを備えたT型チューブを作成した.音波の到達時間は,送波信号および受波信号をパソコンに取り込み,パソコン上であらかじめ決めた受波信号の任意のある部分の位置をモニタすることで自動計測した.この装置により水道水および蒸留水を用い音波の到達時間測定を行った.その結果,水温の違いによる到達時間の変化がはっきりモニタされ,今回開発した装置の精度が十分であることがわかった.
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